選抜高校野球大会が愛知・東邦高の優勝で閉幕しましたが、夏の選手権大会に向けてピッチャーの球数制限を巡る問題が再燃しそうです。そのルール化については元;ピッツバーグ・パイレーツの桑田真澄さんがキーマンとなりそうです。なぜならば、今年度のスポーツ庁参与に桑田さんが選ばれたからです。
さて、スポーツ庁(英語:Japan Sports Agency、略称:JSA)というのは、文部科学省や厚生労働省など複数の省庁にまたがるスポーツ行政の関係機構を一本化するもので、文部科学省のスポーツ・青少年局を母体に2015年10月1日に設置されました。スポーツの振興その他のスポーツに関する施策の総合的な推進を図ることを任務としており、現在は鈴木大地氏がスポーツ庁長官を担っています。
参与は国が行うスポーツ政策について意見を述べるのが役目です。全部で8人おり、月1回くらいのペースで招集され、意見を求められます。競技OBが選出されるのは珍しいことではありません。東京オリンピックも控えており、各競技のサポートや健康問題、セカンドキャリアなど幅広く意見が求められそうです。また、当然、高校野球のシーズンになれば、その議案も盛り込まれるでしょう。
近年、桑田さんは少年野球や学生野球の暴力的指導について、強く意見してきています。「暴力でうまくなった選手はいない」と厳しい口調で、改革を訴えています。また、スポーツ庁の鈴木大地長官は競泳競技のOBで、高校野球は専門外ですが、昨年の夏の甲子園大会以降、投球数制限や連投禁止のルール化を訴えてきています。投球数制限のルール化を訴える鈴木長官が質問すれば、元ピッチャーの立場から「連投や多投によるリスク」を実体験をもとに語ると思います。
是非とも元;パイレーツの桑田さんには改革の旗手となってもらいたいものです。
ここがヘンだよ
■野球部がダンス同好会有料イベントに出演
引退した3年生の野球部員が、夏の甲子園で応援してくれた恩返しに、入場料500円のダンスイベントに友情出演したことが「商業的目的にあたる」ことが問題視された。ネット上で「入場料500円を処分するなら、甲子園の入場料を無料にしろ」と同調する声が多く上がった。
「ここがヘンだよ」→批判の背景にあるのは、「商業的イベント」を禁止する元締めから「金のニオイ」がしてくることでしょう。第100回記念大会は入場者数が100万人を突破。外野席を有料化もあり、収入は約7億8000万円と史上最多を更新しています。活動資金のため自らは大々的に興行しながら、高校生にはルール抵触を理由に情け無用のペナルティー。
■侍ポーズ禁止
夏の甲子園の準優勝校のピッチャーが登板前に行う「侍ポーズ」を禁止。試合前、センターを守る選手の方向を向いて、侍の居合抜きのような仕草をし合ってリラックスするルーティン。ところが、準決勝の試合前、唐突に「もうしてはいけない」と注意を受けた。大会後、U-18日本代表で再び侍ポーズ禁止を通達し、「国際試合では誤解を生むかもいれない」と報復行為の可能性を指摘。
「ここがヘンだよ」→国際試合はともかく甲子園では、相手を挑発しているわけでも遅延行為でもない。地方大会、甲子園準々決勝までは認められてきたのに、なぜか準決勝から禁止。
■カット打法禁止
夏の甲子園で選手の「カット打法」が準決勝から事実上禁止。バスターエンドランのような打法でカットした打球の一部が、審判員に「スリーバント失敗」と判断されるものもあると注意。156cmの小柄な選手が強豪校でレギュラーをつかむために、徹底して磨いたファウルを打つ技術。注意を受けた準決勝では無安打に終わり、チームも敗退。
「ここがヘンだよ」→選手の個性、これまでの努力を踏みにじるような対応。地方大会、甲子園準々決勝までは認められてきたのに、なぜか準決勝から禁止に。
■祝勝会中止
北陸勢で選抜初優勝を飾ったチームに、過度な祝賀行事を自粛するよう通達。地元では選手の凱旋パレードを求める声や優勝記念セールの企画が多く、「経済も原発停止で冷え切っている中、盛り上げたい気持ちもあるが仕方ない」と残念がった。市には抗議の電話が殺到。
「ここがヘンだよ」→郷土の誇りをお祝いしたい、喜びを分かち合いたい思いは二の次。地元企業の営業努力にまで口出し。
■女性差別
大会開幕前のグラウンド練習で女子マネジャーがノックの練習を手伝い、開始から15分後に危険防止を理由に「退場」。「練習補助員は男子に限る」という大会規定はあるが、練習時もこれに準ずると明記がなく、ユニホームを着ていない記録員は練習に参加できないとだけ書かれていた。この日のためにユニホームを新調して準備した女子マネは注意を受けた後、残り時間の練習をベンチから見守る。
「ここがヘンだよ」→「危険」が理由なら、女でも男でも危険が伴わないスポーツはなく、ネットで「高野連が女性排除」の意見が噴出。
■酷暑強行
夏の大会期間中に熱中症・日射病の疑いのある人の合計が343人になった。近年の暑さは異常で、地区予選から一部ナイター開催にする地区もあったが、大多数は通常通りの日程で強行。選手だけでなく審判、観客も暑さに倒れた。酷暑の過密日程変更、球数制限など、体や命に関わる「本当に危険な」問題が解決しないまま、大会を終えた。
「ここがヘンだよ」→プロ野球でも真夏に野外デーゲームを行う球団はない。ネットでは「利権が絡んで根本的な改革は無理」「暑さで人が死ぬまで、高野連は日程を変えない」という笑えない意見も。