プロ野球シーズンが始まれば、入団以来、春季キャンプ、オープン戦と動向が報じられていた高卒の黄金ルーキーの話題もプロの厚い壁に直面して、ほとんど報じられなくなってしまいました。
昨秋のドラフトで根尾昂選手(中日ドラゴンズ)と小園海斗選手(広島東洋カープ)は4球団、藤原恭太選手(千葉ロッテマリーンズ)も3球団が1位指名で競合しました。
藤原選手こそ、一軍で開幕戦の東北楽天ゴールデンイーグルス戦で「一番・センター」で先発出場して7回にプロ初安打の内野安打を放ちましたが、2試合目以降は速球に差し込まれ、変化球に泳がされて自分の打撃をさせてもらえず、スタメン定着できていません。
オープン戦で活躍が際立った小園選手は、開幕一軍メンバー入りしたが、出場機会がないまま3月31日に登録抹消され、二軍での育成となっています。
昨年の甲子園春夏連覇の立役者になった根尾選手に至っては、まだまだレベルが達していないということから二軍での育成となっていますが、打率1割台でショートでの守備もリーグワーストの失策数となっています。
結論付けるには、まだまだ早すぎるのですが、プロは甘くなく、そう簡単に活躍できるものではないということでしょう。
4月9日時点での成績
藤原恭大(千葉ロッテマリーンズ) 6試合 19打数 2安打 2打点 0本塁打 6三振 打率.105
小園海斗(広島東洋カープ) 6試合 24打数 2安打 0打点 0本塁打 6三振 打率.083 二軍成績
根尾昂(中日ドラゴンズ) 17試合 68打数 9安打 3打点 1本塁打 24三振 打率.132 二軍成績
早い話が、即戦型ではなく、素材型の選手であり、甲子園スターだっただけに、注目度が高く、話題先行でファンとしては期待させられてしまったのかも知れません。将来はプロ野球界を代表する選手になれる可能性を十分に秘めていると思いますが、即戦力かと言えばそうではないというでしょう。やっぱり、プロのスピード、変化球のキレに慣れるために時間が必要だったのです。
私たちファンは1年目から活躍を期待していたりしますが、怪物と言われた清原和博さん、松坂大輔さんらは別格だったということでしょう。
根尾選手、小園選手、藤原選手と走攻守3拍子揃っているプレースタイルが共通していると思う、前人未到のトリプルスリー3度を達成した山田哲人選手(東京ヤクルトスワローズ)は高卒1年目の2011年にはレギュラーシーズンで公式戦出場の機会はありませんでしたが、二軍で力をつけてクライマックスシリーズで「一番・ショート」という衝撃的デビューを果たしています。
ちなみに、私は二軍の試合が大好きで、ナゴヤ球場での親子ゲームにはよく行きました。二軍で一所懸命やっていた選手が、いつか一軍で活躍する姿はやっぱり、うれしいものです。どちらかというと、ドラゴンズの選手は遅咲きです。高橋周平選手や福田永将選手など、一軍で活躍するまで二軍でしっかりと力を蓄えてきました。今年でいえば、加藤匠馬選手、阿部寿樹選手の活躍はうれしいものです。
まだまだ、シーズンは始まったばかりです。根尾選手、藤原選手、小園選手は、まだまだ、これからが勝負ですから。