2016 プロ野球 フリーエージェント(FA) 有資格者

日本シリーズが終わったことによって、プロ野球のフリーエージェント(FA)有資格者による権利行使の宣言が今日31日に解禁となります。FA規約が定める解禁日は日本シリーズ終了翌日ですが、昨日30日が日曜日のため、1日遅れての解禁となります。行使を希望する選手は11月9日まで(土、日、祝日を除く7日間)に在籍球団に宣言する意思を伝え、コミッショナーに申請書類を提出する段取りです。その後、宣言選手は同10日にコミッショナー公示され、翌11日から国内FA選手は在籍球団を含む国内全球団、海外FA選手は国内外すべての球団との契約交渉が可能になります。

今年の有資格者は88人(国内30人、海外58人)となっており、国内FAでは糸井嘉男選手(オリックスバファローズ)、陽岱鋼選手(北海道日本ハムファイターズ)、山口俊選手(横浜DeNAベイスターズ)、平田良介選手(中日ドラゴンズ)、岸孝之選手(埼玉西武ライオンズ)などの動向が注目されます。

今年は外野手に注目選手が多く、仮に移動となった場合には来年は違うユニフォーム姿の大移動があるかも知れません。

ベテランの糸井選手は昨シーズンは故障や打撃不振により打率.262と苦しみ、2009年から続いていた打率3割以上の記録が6年で途切れましたが、今シーズンは全143試合に出場し、打率は2年ぶりに.306をマーク。走っても自己最多となる53盗塁を記録し、史上最年長で盗塁王のタイトルを獲得しました。来季36歳という年齢がネックとなりそうですが、まだまだ衰えを知らずです。

陽岱鋼選手は来年の1月で30歳とまだ若く、走攻守の三拍子が揃っているところが魅力です。日本シリーズでは6試合に出場して、9打数0安打5三振と精彩を欠きましたが、シーズンでは打率.293、ホームラン14本、61打点の成績を残し、守備でも広い守備範囲でピッチャー陣がどれだけ助けられ、4年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。ただ、近年故障が多いのは気になるところです。

ピッチャーでは今シーズンで3年契約が切れる岸選手。1年目から先発ローテーションに入り11勝を挙げ、4年連続で2桁勝利をマーク。2011年は8勝に終わるも、2012年から再び3年連続で2桁勝利を挙げ、2014年には最高勝率のタイトルを獲得。ここ2年は故障でシーズン途中に離脱するシーンもありましたが、それでも今シーズンは9勝を挙げ、防御率は2.90と安定しています。

山口選手は今シーズン自身最多の11勝(5敗)を挙げ、5完投3完封とリーグ屈指の完投能力を証明。シーズン終盤は右肩痛で離脱し、CSは回避したものの、順調にリハビリを進めており来季以降の不安材料にはならないようです。

ここまではFA権行使がほぼ確実だと思われる選手です。

微妙なのが平田選手。来年29歳と今回の目玉の中では最も若く、今シーズンは故障で離脱する期間もあったものの、3年連続で規定打席に到達し、シーズン自己最多となる73打点を記録。短期決戦にも強く、昨年侍ジャパンの一員として出場したプレミア12では、一次ラウンド初戦の韓国戦で、三塁ベースに当たるラッキーなタイムリー2ベースを記録するなど、大会通算打率.423、6打点の大活躍でした。昨日の時点では「まだどちらとも言えない状態。(今後も)中日との残留交渉があると思うので。まだ宣言するしないは決めてません」とのことです。

また、平田選手とともに外野の一角として活躍した大島洋平選手はFA権を行使せず残留することを決めました。ただ、ここまで平静を装っている選手の中から宣言する選手がいるかも知れません。ここしばらくはFA権を取得している選手の動向に注目です。

FA有資格者
福岡ソフトバンクホークス
国内; 松坂大輔、森福允彦、摂津正、高谷裕亮、城所龍磨、長谷川勇也
海外; 五十嵐亮太、細川亨(戦力外)、本多雄一、内川聖一、吉村裕基

北海道日本ハムファイターズ
国内; 武田勝(現役引退)、大野奨太、陽岱鋼
海外; 武田久、宮西尚生、飯山裕志、矢野謙次

千葉ロッテマリーンズ
国内; 根元俊一、大松尚逸
海外; 井口資仁、福浦和也、サブロー(現役引退)

埼玉西武ライオンズ
国内; 野上亮磨、上本達之
海外; 岸孝之、炭谷銀仁朗、渡辺直人、中村剛也、栗山巧

オリックスバファローズ
国内; 糸井嘉男
海外; 平野佳寿、岸田護

東北楽天ゴールデンイーグルス
国内; 聖沢諒、牧田明久
海外; 青山浩二、嶋基宏(行使せず)、後藤光尊(戦力外)、藤田一也、松井稼頭央

東京ヤクルトスワローズ
国内; 松岡健一、川端慎吾、武内晋一、雄平
海外; 石川雅規、館山昌平、畠山和洋、飯原誉士、坂口智隆

読売ジャイアンツ
国内; 寺内崇幸、長野久義
海外; 杉内俊哉、内海哲也、西村健太朗、山口鉄也、阿部慎之助、実松一成、坂本勇人、村田修一、亀井義行

阪神タイガース
海外; 安藤優也、福原忍(現役引退)、鶴岡一成(現役引退)、西岡剛

広島東洋カープ
国内; 江草仁貴、小窪哲也、天谷宗一郎
海外; 永川勝浩、石原慶幸、倉義和(現役引退)、梵英心、新井貴浩、広瀬純(現役引退)、赤松真人

中日ドラゴンズ
国内; 平田良介 、大島洋平
海外; 岩瀬仁紀、山井大介、荒木雅博、森野将彦、藤井淳志、多村仁志(現役引退)

横浜DeNAベイスターズ
国内; 久保裕也(戦力外)、山口俊 、長田秀一郎(戦力外)
海外; 三浦大輔(現役引退)、林昌範、石川雄洋