「ファイトォー!」と声をかけられたら「イッパァーツ!」と条件反射で返す、オジサン世代にはおなじみの大正製薬のリポビタンDです。
明日のドラフト会議を前に、スポンサーの大正製薬・リポビタンD(以下、リポD)について調べてみました。なお、最初にお断りしておきますが、私は「愛情一本 チオビタドリンク(大鵬薬品工業株式会社)」派です。その前は「サンサン30代も、グロンサン」「5時まで男も、5時から男も、グロンサン」「5時から男のグロンサン」のグロンサンでした。なお、このグロンサンは中外製薬株式会社が扱っていましたが、2005年1月からはライオン株式会社へ譲渡されています。
さて、そのリポDは日本では1962年3月に医薬品として販売開始され、現在では日本以外にもシンガポール、タイ、中国、インドネシア、アメリカ合衆国、イギリス、アラブ首長国連邦など15ヶ国以上の国で、種類もいろいろと販売されています(日本国内のリポビタンシリーズの商品ラインアップは昨年時点で指定医薬外品14、第3類医薬品3、第2類医薬品1の合計18アイテム)。
そのリポDのシリーズの累計出荷本数は、な、な、ナント発売50周年(2011年10月末)時点で340億本になったそうです。日本国内市場でも約50%のシェアを占めている「日本代表栄養ドリンク」ですが、海外仕様は宗教上の理由や薬品規制法上などから容量、成分、効能も変えています。
タイでは「LIPOVITAN-D」、米国、メキシコ、フィリピン、アラブ首長国連邦などは「LIPOVITAN」です。中国語圏では100mlビン製品で、中国と香港では「力保健(リポゲン)」、増量型の150mlビンを好む台湾では「力保美達」です。また、マレーシアとシンガポールの場合は「LIVITA」となっていて、「ファイト一発!」を意味する「GET YOU GOING」もラベルに書かれています。なお、マレーシアとベトナムでは250ml缶で売られており、ベトナムとインドネシアでは「LIPOVITAN HONEY」の名前どおり、蜂蜜入り甘口バージョンなのです。
飲んだことがある方はわかると思いますが、薬のようなジュースのような独特の味があります。実はあの味、かつてはパインフレーバーとされていたそうです。
大正製薬では、リポDの開発時には味を良くするため、当時、高級品だったパイナップルをメインとする「ミックスフルーツ風味」としたとのことです。大塚製薬のリポDサイト内にある歴史を紹介するページにも、「パイナップルの味」と記載があります。
さて、そんなリポDを始めとする日本の栄養ドリンクですが、どうしてもオジサンイメージです。コンビニの店先でオジサンが一気飲みをしている姿は想像しやすいですが、若い女性や、学生などが飲んでいる姿は想像しにくいです。リポビタンファインなど女性向けをイメージしたものもありますけど。最近はレッドブルやmonsterなどのエナジードリンクが若い世代には流行っています。そっちの方がイメージしやすいですよね。
今となっては多くの説明もいらないほど、人気が定着したレッドブルですが、オーストリアの実業家ディートリッヒ・マテシッツさんが、リポDの成功例が影響していることをマテシッツさん自身が認めて公言しているほどの影響を与えたものです。
そもそもリポビタンとは何者なんだという話ですが、これはリポクラシス(脂肪分解; lipoclasis)ともリポリシス(lipolysis)とも呼ばれる際の「リポ」と、ビタミンから「ビタン」を頂戴しての造語です。「デー(D)」はディーではなくデーと発するのが正しいそうで、公式見解では「デリシャスなどを意味する」ですが、社史では先行商品「タウローゼC」、またこれとは別の「リポビタンC」に続くものという記号的意味でDを付したそうです。
現在、広島東洋カープ2017年優勝記念ラベルのリポDがネット通販で限定販売中です。また、プロ野球12球団ラベルも、まだ発売中かも知れません。
なお、リポDをはじめとした栄養ドリンクはあくまでも食事や疲労で不足した栄養分を補うための役割です。強い効果を求めて一日に何本も飲むのは逆効果どころか、身体に悪影響を与える可能性があります。用法・用量を守って正しく服用することが最も効果的です。
おまえがナンバー1だ!!