ながら(×乍ら)とは
1. 動詞・動詞型活用語の連用形に付く。二つの動作・状態が並行して行われる意を表す。「ラジオを聞きながら勉強する」「左右を見mながら横断する」
2. 名詞、動詞型活用語の連用形、形容詞型活用語の連体形などに付く。内容の矛盾する二つの事柄をつなぐ意を表す。…にもかかわらず。…ではあるが。「学生ながら読書もしない」「知っていながら答えない」「狭いながらも楽しく暮らす」
3. 体言、副詞、動詞型活用語の連用形などに付く。ある状態のままにある意を表す。…のまま。…のとおり。「昔ながらの街道」「いながらにして手に取るようにわかる」
4. 体言・副詞などに付く。そろってそのまま、同じ状態にある意を表す。全部。…とも。それごと。「兄弟ながら技師になる」「三回ながら失敗した」
さて、すでにテレビや新聞などでも報じられていますが、2019年12月1日から、スマートフォンや携帯電話を操作しながら運転する、いわゆる「ながら運転」の罰則が強化されました。
■携帯電話やスマホを運転中に使用した違反(保持)
・改正前は「5万円以下の罰金」でしたが、改正後は「6か月以下の懲役、または10万円以下の罰金」と懲役刑
・違反点数は、「1点」から「3点」にアップ
・反則金は普通車の場合、従来の6000円から1万8000円にアップ(各車種ごとに約3倍に引き上げられます)
■携帯電話やスマホの「ながら運転」が、交通事故などの危険に結びついた場合
・改正前は「3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金」でしたが、改正後は「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」
・違反点数は、「2点」から「6点」にアップ。つまり一発免停
かなり厳しい改正ですが、「ながら運転」による事故の現実を見ていると、こうした厳罰化は当然の流れだと思います。
警察庁の統計では、「携帯電話等使用(ながら運転)」 の取締り件数は、年間約84万件。道路交通法違反全体の14%を占めていて、「速度違反」「一時停止違反」と並んで、ワースト3。また、交通事故自体は減少しているにも一方で、2018年スマートフォンや携帯電話の操作などが原因で発生した人身事故は、2790件。そのうち死亡事故は45件発生しており、5年前と比べると約2.1倍になっています。
気になる「取り締まり」の実態は、次のとおりです。
■一般道の場合
道路の端や横断歩道橋の上などに、「違反行為を見る警察官(A)」を配置、その先に「違反車両を停止させ、切符を作成する警察官(B)」を配置。(A)と(B)は無線連絡などにより、お互い違反車両の違反状態を連絡し合います。
■パトカーや覆面パトカーの場合
パトカーや覆面パトカーで警ら中、違反行為を確認した際に、違反車両を停止させます。
■高速道路の場合
インターチェンジや料金所などに「違反を確認する警察官(A)」を配置、別の「停止・検挙担当の警察官(B)」と無線連絡などにより、違反車両を停止させます。
ちなみに、「ながら運転」をしていて捕まってしまったが、「自分は絶対に携帯やスマホを使用していなかった」と強硬に言い張ったとしても、まずバレます。
あくまでも一般論としてですが、携帯やスマホの発・着信歴を確認されたり、メールやLINEなどの送着信歴、アクセス時間などが確認されるようです。それでも最後まで否認する場合には、否認のまま違反切符を作成する場合があるそうですので、無駄な抵抗はやめた方がいいということです。
さて、中日ドラゴンズ・小笠原慎之介選手が12月1日に愛知県警中警察署(なかけいさつしょ:名古屋市中区)の一日署長を務め、名古屋市・栄で、「ながら運転はやめましょう」と交通安全を訴えました。ただ、野球の「ながら」については、「打ちながら、守りながら、走りながら。ピッチャーは抑えるだけでない。野球の『ながら』は大事になる」とも言っています。
また、来シーズンの目標の一つに「完封勝利」を掲げました。ちなみに、中警察署管内では、今年1月から11月末まで交通事故の死亡者がゼロ。12月末まで継続すれば管内で初めて年間ゼロとなるそうです。中警察署の交通死亡事故の「シャットアウト勝利」とともに、小笠原選手も「シャットアウト勝利」の達成を願うばかりです。
小笠原選手の「ながら」は是非とも実行してもらいたいものですが、「ながら運転」は歩行者や他の車の発見の遅れにつながる、極めて危険な行為です。絶対にしないよう、気をつけてください。
ちなみに、これは「長良川鉄道」の観光列車「ながら」です。