「Hare Maru Hare Papu (ハレ マル ハレ パプ)」
「ゆっくり、少しずつやれば いつか叶う」
タヒチのことわざです。
タヒチは太平洋南東部、ソシエテ諸島の一部にあるタチヒ島を中心としたフランス領ポリネシア。太平洋の楽園とも言われ、フランス後期印象派の画家ゴーギャンの筆で世界に知られた地です。
そんな島国から今、ブラジルで開催されているコンフェデレーションカップに初出場しているタチヒは現在FIFAランクが138位。
OFCネーションズカップ優勝国として出場しているものの、FIFA2014ブラジル・ワールドカップの予選ではオセアニア最終予選まで進んだものの3位に終わっています。ちなみにプレーオフ出場はニュージーランド(57位)となっており、2位はニューカレドニア(97位)でした。
このタヒチA代表は少なくとも1973年以降一度もオセアニア以外のチームと対戦していないとのこと。つまり、ずっとオセアニア地域から出たことがなかったチームなのです(U-21国際大会への出場はあるとのこと)。
つまり、このコンフェデレーションカップは初めてオセアニア以外のチームとの対戦となったのです。
日本代表が“世界の強豪との真剣勝負で戦える機会”であること以上に、タヒチ代表にとっては“未知なる世界との戦い”となっているのです。
この大会前に「アマチュアサッカーのプライドを見せたい」と言っていたエタエタ監督。
それもそのはず、A代表でのプロ選手はギリシャリーグ所属の1人だけ。残る22人は国内リーグに所属しているのです。
さらにこの中の9人は仕事に就いていないそうです。DFの1人は毎朝4時半に起きて一日中、山に登っているとのこと。ヤシの木やあらゆるものに登ってから練習に来るという(自然保護の一環で山などに登ることで収入を得ているという)。
さて、そんな国際舞台デビューのタヒチ代表ですが、先日のナイジェリア戦(31位=日本よりもランクが1つ上)にて、FIFA主催大会初得点という歴史的なゴールを決めました。
この試合のダイジェストをTVで観ましたが、格上(どころか雲の上)を相手にして序盤から積極的に前に出る戦いを展開し、この試合でのファーストシュートを放っています。
これによって、目が覚めたのか近年力をつけてきているアフリカ勢の王者でもあるナイジェリアは前半に立て続けゴールを奪われてしまいますが。
後半開始後。左サイドからのコーナーキックにファーサイドの選手がヘディングでこれに合わせて、ナイジェリアゴールへ。
これがFIFA主催大会初得点という歴史的瞬間。そして、メンバー笑顔でカヌーを漕ぐ姿のゴールパフォーマンス。
しかし、その後、足が止まってしまい、終わってみれば1-6の完敗となりました。
しかし、この歴史的ゴールによって、この日スタジアムにいた観客のハートをつかんだようです。試合後の大きな拍手と声援がそれを意味していることでしょう。
「プロ(ナイジェリア)との差を見せつけられたが、12月の組み合わせ抽選のとき、大会で1点でも取れれば偉業だと私は言った。そして我々は達成できたんだ」とエタエタ監督の試合後のコメントです。
そして、そのスタンドからの声援に応えるタヒチ代表。
試合結果よりも、この日、新しい歴史を記したタヒチ代表が世界に与えた感動と希望。
その昔。
日本人のルーツの一部はオセアニアからのミクロネシア人が黒潮に乗ってやってきたという言い伝えがあります。
それと同じようにタヒチ代表が未知なる大海原へ勇気ある冒険に漕ぎ出しました。
「ゆっくり、少しずつやれば いつか叶う」
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