「ボール球は見逃せ」は、古くから当たり前のように言われている常識です。そもそも、悪球に手を出すような選球眼の悪い選手は打率も残せないからです。悪球打ちで名選手と言えば、ドカベンの岩鬼選手くらいではないでしょうか。
でも、この「ボール球は見逃せ」については、私は基本的には同意できますが、「ちょっと待った!!」と言いたところがあります。
別に審判の技術云々を批判している訳ではありません。高校野球など、きわどいコースを見逃してストライクを捕られることがあります。ボール球に手を出さずに済むならいいのですが、カウントを追い込まれてしまったらストライク、ボールの判断が難しい球も現実的には打ちに行かなければいけません。となると、きわどいコースのボール球を打つ技術が必要になって来ます。
特に現代の野球はストライクゾーンで勝負してくるピッチャーが少ないです。ストライクからボールゾーンに変化するボールを多投する配球が中心になっているので、打率を残すためには、低めのボール球を拾う技術とそのための練習が大きなポイントになってくるはずです。
もちろん、頭の上を越えるようなボール球は別です。
元読売ジャイアンツの篠塚和典さんは現役時代、練習ではボール球であっても積極的に打つスタンスを徹底していたという。
「ショートバウンドになりそうなボールだってお構いなしに打っていきました。子どもの頃からバットが届く範囲のボールにはどんどん手を出していくタイプでしたが、おかげでバット操作も自然とうまくなり、どんなボールにもバットを当てられる自信が生まれていった。練習の時にストライクしか打たないようでは試合でもストライクしか打てなくなり、結果として打率も上がっていきません」
実際、2016年シーズン自己最高となる打率.344をマークし、セ・リーグの首位打者を獲得した読売ジャイアンツ・坂本勇人選手はボール球に手を出した際の打率がストライクゾーン内の打率とさほど変わらないそうです。また、打率.339をマークし、2度も目の首位打者を獲得した千葉ロッテマリーンズの角中勝也選手は、元々、悪球をヒットゾーンに打ち返しているイメージが強く、それが、そのままデータに表れており、ボールゾーンの打率は驚異的な高さだそうです。ストライクゾーン内のホットゾーンよりも打率が高いゾーンもあり、ボールゾーンから打ち返されたヒット数は年間安打数の2割近くを占めているそうです。
この「ボールゾーンの打率が極端に低くならない選手はトータルの打率が残る法則」は打率を残す多くの選手に当てはまり、イチロー選手(マイアミ・マーリンズ)、青木宣親選手(ヒューストン・アストロズ)、内川聖一選手(福岡ソフトバンクホークス)、稲葉篤紀さん(元北海道日本ハムファイターズ)のように、特に低めのボールゾーンの球をも巧みに拾ってヒットゾーンに運ぶという技術に長けていると言ってもいいでしょう。
ボールゾーンは手を出したところでヒットになりにくい。それが「ボール打ちは悪」といわれる大きな理由だったはずですが、好打者はボール球を打って打率を残すということなのです。
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