阪神タイガースの本拠地球場であり、高校球児たちの目標でもある阪神甲子園球場(兵庫県西宮市甲子園町)。
高校野球と言えば、一時期、新型コロナウイルス感染対策で禁止されていた「甲子園の土」の持ち帰り。負けたチームの選手がベンチ前に一列に並び、土を涙ながらにかき集める姿は日本の夏のひとつですね。
そもそも、その阪神甲子園球場の土。
球場の公式サイトによると、球場の土は「黒土」と「砂」で構成されており、毎年決まっているわけではないそうですが複数の産地のものをブレンドして使用しています。
黒土:岡山県日本原、三重県鈴鹿市、大分県大野郡三重町、鳥取県大山など、現在は鹿児島県鹿屋
砂:甲子園浜、香櫨園浜社有地、瀬戸内海産の砂浜、中国福建省など、現在は京都府城陽
季節により配合も変えており、春は雨が多いため砂を多め、夏は白球を見やすくするために黒土を多めにブレンドしているそうです。
グラウンド整備を手掛ける阪神園芸によりますと、内野グラウンドの土は約30cmの深さで敷き詰めているとのことで、土の下は砂利の層になっているとのこと。
土の総重量は約700~約800トン。毎年、多くの高校球児が持ち帰ったり、雨や風などで自然と減っていくため毎年約10トンを追加。
黒土、砂の産地の変更は採取ができなくなったことなどがあるそうですが、変更する際はサンプルを取り寄せて手触りなどを確かめ、似た土と砂を採用しているそうで、なかなか大変なことです。
阪神園芸と言えば、大雨が降ったあとのグランド整備。職人技というよりも、神業。
もちろん、これには阪神園芸の土づくりがベース。
黒土は火山灰を主成分とし、山や畑で採取できる、粒子が細かく、よく水を含む性質を持つ。黒土が適度な量の水を含むと適した弾力になるとのことですが、水の量が多すぎるとぬかるむほか、水はけがよくない。砂は水はけがいいものの、砂だけでは走りにくく、ボールも転がりにくい。そこで黒土と砂を混ぜ、黒土が水を適度に含んでほどよい弾力になることで、乾いた状態よりも打球速度を遅くし、内野手が守りやすくしている。
試合前などホースで散水している風景を見たことがありますが、そのような理由があったのです。一方で大雨が降ってもすぐに水がはけるのは砂が混ざっているからとのこと。
さらに粒子の小さい黒土はだんだん下に潜り込み、砂が表面に浮きでてくる。そこで毎年シーズンオフに大半を掘り返す「天地返し(ラーメンのようだ)」と呼ばれる作業を実施し、黒土と砂のバランスを元に戻しているそうです。
甲子園の土は球場が1924年に竣工して以来、多くの人々が試行錯誤しながらつくってきたもの。阪神電鉄の社員として球場の建設工事に携わった方のなかにはプレーしやすいようグラウンドサンプルをたくさんつくって、自らユニホーム姿で何度も滑り込み、身をもって黒土の固さや色合いを実験したという伝説もあるそうです。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
高校野球と言えば、一時期、新型コロナウイルス感染対策で禁止されていた「甲子園の土」の持ち帰り。負けたチームの選手がベンチ前に一列に並び、土を涙ながらにかき集める姿は日本の夏のひとつですね。
そもそも、その阪神甲子園球場の土。
球場の公式サイトによると、球場の土は「黒土」と「砂」で構成されており、毎年決まっているわけではないそうですが複数の産地のものをブレンドして使用しています。
黒土:岡山県日本原、三重県鈴鹿市、大分県大野郡三重町、鳥取県大山など、現在は鹿児島県鹿屋
砂:甲子園浜、香櫨園浜社有地、瀬戸内海産の砂浜、中国福建省など、現在は京都府城陽
季節により配合も変えており、春は雨が多いため砂を多め、夏は白球を見やすくするために黒土を多めにブレンドしているそうです。
グラウンド整備を手掛ける阪神園芸によりますと、内野グラウンドの土は約30cmの深さで敷き詰めているとのことで、土の下は砂利の層になっているとのこと。
土の総重量は約700~約800トン。毎年、多くの高校球児が持ち帰ったり、雨や風などで自然と減っていくため毎年約10トンを追加。
黒土、砂の産地の変更は採取ができなくなったことなどがあるそうですが、変更する際はサンプルを取り寄せて手触りなどを確かめ、似た土と砂を採用しているそうで、なかなか大変なことです。
阪神園芸と言えば、大雨が降ったあとのグランド整備。職人技というよりも、神業。
もちろん、これには阪神園芸の土づくりがベース。
黒土は火山灰を主成分とし、山や畑で採取できる、粒子が細かく、よく水を含む性質を持つ。黒土が適度な量の水を含むと適した弾力になるとのことですが、水の量が多すぎるとぬかるむほか、水はけがよくない。砂は水はけがいいものの、砂だけでは走りにくく、ボールも転がりにくい。そこで黒土と砂を混ぜ、黒土が水を適度に含んでほどよい弾力になることで、乾いた状態よりも打球速度を遅くし、内野手が守りやすくしている。
試合前などホースで散水している風景を見たことがありますが、そのような理由があったのです。一方で大雨が降ってもすぐに水がはけるのは砂が混ざっているからとのこと。
さらに粒子の小さい黒土はだんだん下に潜り込み、砂が表面に浮きでてくる。そこで毎年シーズンオフに大半を掘り返す「天地返し(ラーメンのようだ)」と呼ばれる作業を実施し、黒土と砂のバランスを元に戻しているそうです。
甲子園の土は球場が1924年に竣工して以来、多くの人々が試行錯誤しながらつくってきたもの。阪神電鉄の社員として球場の建設工事に携わった方のなかにはプレーしやすいようグラウンドサンプルをたくさんつくって、自らユニホーム姿で何度も滑り込み、身をもって黒土の固さや色合いを実験したという伝説もあるそうです。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。