何か、大きなイベントごとがあるたびに世の中には買い占め騒動が発生し、インターネット上で高額転売されていたりします。
1973年ころに発生した第一次オイルショックでは根拠のない風評によって、トイレットペーパーの買い占め騒動が発生(私には明確な記憶がほとんどありませんが)。2011年の東日本大震災の直後には、ミネラルウォーター、お米、インスタント食品、乾電池、トイレットペーパー、ティッシュペーパーや使い捨てカイロなどの買い占めが起こりました。これらの事件、災害以外でもちょっと前には「サバ缶」ブームで買い占められてしまったり、最近では「コンビーフ缶」が買い占められてしまったりしています。
さて、今現在は都市部ではマスクが品薄状態というか、店頭にほぼない状況になっています。売っているとしても個包装のマスクが少しだけ売っている状態で、数10枚入りの大容量のものはまったくない状況だそうです。私の住んでいる田舎部でも都市部での品薄状態から数日後には、同じような状態になってしまっています。となれば、ネットで購入しようと探してみますが、品切れの表示が目立ち、在庫がある場合でも普段よりもかなり値段が上がっていたり、「お一人様1日当たり合計2枚限り」などと日本語と中国語で併記された棚が日常の光景になってしまっています。
これら、品切れや価格高騰が起こったのは、中国政府が武漢市など湖北省の複数の都市を封鎖し、各都市に繋がる公共交通機関を運行停止した日となった、1月23日を境にしてのことになります。つまり、この日を境にして、人々が「非常事態状態」と考え、危機対応モードに入ったということだと思います。
ニュースでは中国でもマスク問題は深刻です。薬局やスーパーでは手に入らず、ネットで買ってもいつ届くかわからないようです。売っていたとしても、1枚30~50元(約470~780円)の高値で売られていたり、使用済みマスクを集めて売ろうとする人出てくる始末だそうです。そのためか、ビニール袋やペットボトルを頭からかぶっている人がいたり、マスクをしていない人を注意して口論になっていたりするニュースなどが日本では連日報道されています。また、日本国内で発症した人もいるというニュースで国内での感染拡大を懸念してしまう人も少なくありません。
また、中国のSNS上では、主に医療用として用いられる「N95規格」のマスクでないと効かないというウワサも出回っているようです。N95規格のマスクは、0.3μmの粒子を95%以上カットするとされています。ただ、ウイルスは基本的に飛沫感染するので、鼻の部分をワイヤーで押さえるタイプの不織布のマスクで保護すればいいとのことです。反対に、このマスクは息苦しくなるため通常の人は着用の必要はないそうです。
日本でも大手フリマアプリやオークションサイトでは、はるかに高い値段で出品されるケースが相次いでいます。正直、こんなことやってるからお店からマスクが消え、本当に必要としている人に届かなくなってしまうのですよね。やむを得ずに買わなければならないのであれば仕方はないでしょうけど、転売する人だけじゃなくて、買う人もよくないような気がします。
消費者庁はこうした高額転売を受け、「マスクについては先月(2020年1月)28日に厚生労働省および経済産業省が関係団体に増産など安定供給への配慮について要請を行ったところです。消費者の皆様におかれましては、冷静にご対応頂くようお願い致します」と注意を呼び掛けています。
これから日本は花粉が舞う季節。花粉症や鼻炎などのアレルギーをお持ちの方にとっても切実な問題です。
それでも手に入らない場合は、小学生のころによく使っていた給食当番みたいな布マスクしか打つ手がないですね…。