もはやお正月には欠かせない、この東京箱根間往復大学駅伝競走(通称; 箱根駅伝)。
この二日間に向けて、この夏に厳しいトレーニングを積み重ねてきただけに、往路二区での山梨学院大のエース、エノック・オムワンバ選手の豪快な走りとその後のケガによる棄権は残念なことでした。
往路・復路もトップで総合優勝した東洋大は、ここ何年もの間、各チームからマークされていた中で、歴代2位の好タイムを記録したというのは凄いことです。
前日のラグビーとともに古豪復活を目指す早稲田大学競走部。箱根駅伝には第1回大会(1920年)からの90回中83回の出場。そして、13回の総合優勝を飾っています。
私の中での記憶は1984年、1985年に2年連続優勝ですね。あの瀬古利彦を持ってしても優勝できなかった後での優勝のころです。その後は1993年に優勝しています。
今の競走部の駅伝監督は1993年の優勝時に1年生で箱根駅伝総合優勝を経験し、4年時は二区で8人抜きをしている渡辺康幸さん。2004年から指導しています。
早稲田大には充実した伝統の練習があるそうで、「この11月、12月の集中練習を確実にこなせば、百発百中で走れるという練習スケジュールがある。その練習を100%出せれば、絶対、箱根駅伝での快走が待っているのです」と言います。
その結果、2010年には名門復活への走りとなる約10年ぶりの箱根駅伝優勝を果たします。
駅伝はマラソンと違って、一人の絶対的な力だけでは勝てません。それだけに、個の力をアップしながら、チーム力をいかにあげて行くかが難しいチームスポーツだと考えます。
また、学生スポーツは必ずしも、最上級生だけでのチーム編成とはならないことがあります。
だから、下級生は上級生の為に、最上級生はこの時の為だけに、全力を振り絞って行かないと悔いが残ってしまいます。
この箱根駅伝は、開催される時期もあって、選手たちにとっては特別な場所になります。
渡辺監督は4年生にこう言うそうです。
「最後の箱根駅伝。二度とこの1年は返ってこないよ」
誰にも訪れるその時。
悔いのないようにして欲しいものです。