彼は1981年から30年以上も毎日、医師たちのスケジュールを確認します。それは一日の「靴磨き」の段取りを決めるためです。
アルバート・レクシーさんの仕事は靴磨きです。
レクシーさんは1950年代から靴磨きを始めて、1980年代前半から米国ペンシルヴァニア州ピッツバーグにあるピッツバーグ小児病院の前で商売をしています。
料金は一足5ドル。大半はチップで1ドル、中には2ドル払ってくれる人もいます。
「先生たちは、みんな、6ドルか、7ドル、チップをくれるんです。クリスマスに、50ドルくれた先生もいたんですよ」
レクシーさんは、得たチップをすべて「子ども病院無料治療ファンド」という、経済的な困難から治療費が払えない病気の子供たちを手助けするチャリティー団体にわたされているそうです。1セントも残さずにです。そして、その総額は20万ドル(約2400万円)に達したそうです。
レクシーさんは、ただただ、毎週、数百ドルを窓口に持って来ました。
2001年にはAFP財団(Association of Fundraising Professionals)の西ペンシルバニア支部が彼の慈善活動の功績をたたえ、「Outstanding Philanthropist Award」を贈り、2006年にはレクシーさんの生涯をつづった「アルバートの子供たち-病気の子供たちのための靴磨きの英雄的な行動」という本が出版されています。
レクシーさんは自分がヒーローになることを望んでいた訳ではないと思いますが、「ヒーローになるのもいいもんだね」と語っています。
「ヒーロー(Hero)」とはギリシャ語の「ἥρως」という単語が語源です。この意味は「半神」「半神の英雄」「神人」などです。
現在の英単語での「ヒーロー(Hero)」とは「英雄」「勇敢な人間」「勇者」「物語の中心になる人」「主人公」という意味になります。
一般的にヒーローといえば常人をはるかに超えた能力を持った存在であって、TVなどではアニメや特撮などの架空の存在であることが多っかたりします。また、スポーツの世界でも強く逞しく、まさしく、子どもたちにとっては憧れの存在、子どもたちを助けてくれる存在になります。
でも、別に強いだけがヒーローになる訳ではありません。靴磨きをしていても、子どもたちのヒーローになれるのです。
レクシーさんのように、自分が出来ることをしてヒーローになることもあります。
ヒーローとは世界中の物語の数だけ存在するのです。貴方にとってのヒーローは思いがけない存在かも知れません。
新年がスタートしたばかりです。お金の使い方、大切さを考え直してもみませんか。