何年か前に「読売グループ内での人事異動」ということで、監督交代がありましたが、高校野球(公立校)の場合にはまさしく人事異動での監督交代になります。
昨日、県教育委員会から発表された名簿と県高野連の名簿を突き合わせてみますと、昨年夏の監督登録のうち、次の先生方が異動になりました。
高重陽介; 飯山高等学校 → 高遠高等学校
中村成礼; 須坂高等学校 → 上田東高等学校
松野淳; 須坂創成高等学校 → 上田千曲高等学校
松田敏明; 須坂園芸高等学校 → 須坂高等学校
柳沢敬; 篠ノ井高等学校 → 小諸高等学校
中山聖紀; 野沢北高等学校 → 佐久平総合技術高等学校
横川誠; 野沢南高等学校 → 塩尻志学館高等学校
小高淳一; 諏訪清陵高等学校 → 松本美須々ヶ丘高等学校
市川優一; 岡谷東高等学校 → 松本蟻ヶ崎高等学校
甕力; 箕輪進修高等学校 → 駒ヶ根工業高等学校
熊谷匡通; 高遠高等学校 → 池田工業高等学校
両角純平; 蘇南高等学校 → 松本美須々ヶ丘高等学校
谷口光治; 塩尻志学館高等学校 → 松本県ヶ丘高等学校
宮下裕司; 松本県ヶ丘高等学校 → 松本工業高等学校
秋廣公治; 池田工業高等学校 → 松川高等学校
能沢博輝; 大町高等学校 → 大町岳陽高等学校
高校野球では監督の采配で勝敗を左右することも多いため、異動による監督交代はやむを得ないこととはいえ、異動していく監督と、残った選手たちのどちらも大変なことです。
現在、東京都立高の教員は6年で異動するのが原則になっているそうです。「人事が固定化すると、管理職より発言力の強い教員が出たり、新しい取り組みが阻害されたりする」というのが、理由だそうです。
例外として、校長が求め、都教育委員会が認めれば6年目以降も同じ学校で勤務出来るそうですが、それでも1年更新になるそうですし、都教委職員課は「学校個別の事情はあるが、10年が一つのめど。部活指導が理由ならば、後継者を育てていただきたい」とのことで、長期間の在任は非常に難しいでしょう。ですから、どんなに優秀な指導者であっても、種をまき、芽が出る頃には次の学校に異動する宿命なのです。
また、学校の先生ですから公務員でもあります。遠征は出張扱いになり、旅費がかかるため、学校の予算の都合で許可されないこともあるそうです。よって、「学校行事ではなく、あくまで父母会が主催する遠征にプライベートでついていく形をとることがある」という監督もいたそうです。それに休日出勤手当は一日2000円以下であって、他校に練習試合に行けば交通費と昼食代で消えてしまうか、自腹になる金額です。
私立高校や外部監督は成績が悪ければ指導者が交代させられます。公立の先生が監督をしていれば、異動があります。どちらも厳しいものです。
そして、人事には常に運がつきまといます。せっかく前任者が作った部がゼロになったり、有能な指導者が野球部のない学校に行ったりと。
時間をかけて築いてきた伝統を、次にどう繋げていくのか。また、指導者の教えをどう活かしていくのか。
部にとっても、指導者にとっても、大変なことでもあります。