2019年のドラフト会議が終わりました(ん?毎年毎年、同じ書き出し)。今年のドラフトでは支配下74人、育成33人の計107名がNPB球団から指名を受けました。
千葉ロッテマリーンズと中日ドラゴンズの抽選運（クジ運）の強さは今年も健在でした。
北海道日本ハムファイターズ、千葉ロッテマリーンズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、埼玉西武ライオンズのパ・リーグ4球団が競合した佐々木朗紀選手（大船渡高）はマリーンズが交渉権を獲得しました。井口監督は「日本で一番、世界で羽ばたける選手だと思っている」とコメントしています。
オリックスバファローズ、中日ドラゴンズ、福岡ソフトバンクホークスが1位指名した石川昂弥選手（東邦高）はドラゴンズが交渉権を引き当てました。与田監督は「ぜひ来てほしいという思いと一致したのかなと思う」とコメントしています。
東京ヤクルトスワローズ、阪神タイガース、読売ジャイアンツのセ・リーグ3球団が競合した奥川恭伸選手（星稜高）は、スワローズが交渉権を獲得しました。高津監督は「一緒に頑張りましょう」とコメントしています。
毎年、迷走気味（？）のタイガースは高校生中心の指名。しかも、将来が楽しみな選手を指名しており、一番成功した球団だと思います。
逆にオリックスバファローズと読売ジャイアンツの抽選運の弱さも際立ちました。
その結果、今年も完全予想外でしたのは、読売ジャイアンツの堀田賢慎選手（青森山田高）です。坂本勇人選手（青森山田高）、昨年の高橋優貴選手（八戸学院大）に続いて青森県。東北進出を狙っているのでしょうか？
各球団の指名選手と（1位）指名選手についての監督コメントは次のとおりです。
東京ヤクルトスワローズ
〇１位 奥川恭伸 星稜高 投手
２位 吉田大喜 日体大 投手
３位 杉山晃基 創価大 投手
４位 大西広樹 大阪商大 投手
５位 長岡秀樹 八千代松陰高 内野手
６位 武岡龍世 八戸学院光星高 内野手
高津監督：満点以上のすごくいいドラフト。即戦力の投手を中心に、高校生野手とバランスよく指名できた。奥川くんは完成度の高い投手。エースとして支えてほしい。
オリックスバファローズ
１位 石川昂弥 東邦高 内野手
１位 河野竜生 ＪＦＥ西日本 投手
１位 宮城大弥 興南高 投手
２位 紅林弘太郎 駿河総合高 内野手
３位 村西良太 近畿大 投手
４位 前佑囲斗 津田学園高 投手
５位 勝俣翔貴 国際武道大 内野手
育１位 佐藤一磨 横浜隼人高 投手
育２位 谷岡楓太 武田高 投手
育３位 中田惟斗 大阪桐蔭高 投手
育４位 平野大和 日章学園高 外野手
育５位 鶴見凌也 常磐大高 捕手
育６位 大下誠一郎 白鴎大 外野手
育７位 佐藤優悟 仙台大 外野手
育８位 松山真之 ＢＣ富山 投手
西村監督：将来性のある素晴らしい投手。直球とスライダーがいいと聞いている。どうやって育てていくか考えないと。最初から臆せずに気楽にやったらいいと思います。
中日ドラゴンズ
〇１位 石川昂弥 東邦高 内野手
２位 橋本侑樹 大阪商大 投手
３位 岡野祐一郎 東芝 投手
４位 郡司裕也 慶應義塾大 捕手
５位 岡林勇希 菰野高 投手
６位 竹内龍臣 札幌創成高 投手
育１位 松田亘哲 名古屋大 投手
与田監督：あの文字（交渉権確定）を見るのが快感に。一番上を引いた。（石川は）地元のスター。地元で活躍させ球界のスターになってもらいたい。いいドラフトができた。
北海道日本ハムファイターズ
１位 佐々木朗希 大船渡高 投手
〇１位 河野竜生 ＪＦＥ西日本 投手
２位 立野和明 東海理化 投手
３位 上野響平 京都国際高 内野手
４位 鈴木健矢 ＪＸ－ＥＮＥＯＳ 投手
５位 望月大希 創価大 投手
６位 梅林優貴 広島文化学園大 捕手
７位 片岡奨人 東日本国際大 外野手
育１位 宮田輝星 福岡大 外野手
育２位 樋口龍之介 ＢＣ新潟 内野手
育３位 長谷川凌汰 ＢＣ新潟 投手
栗山監督：投手陣は何とかしなきゃいけないところで、うまく（指名の）バランスは取れている。いいドラフトだったと思う。早く特長を生かせるようにしてあげたい
広島東洋カープ
１位 森下暢仁 明治大 投手
２位 宇草孔基 法政大 外野手
３位 鈴木寛人 霞ヶ浦高 投手
４位 韮沢雄也 花咲徳栄高 内野手
５位 石原貴規 天理大 捕手
６位 玉村昇悟 丹生高 投手
育１位 持丸泰輝 旭川大高 捕手
育２位 木下元秀 敦賀気比高 外野手
育３位 畝章真 四国ＩＬ香川 投手
佐々岡監督：森下君はくじを引くつもりでいた。単独でよかった。来年にならないとわからないけどまずは先発で。スピードもコントロールも、バランスも、総合的にすべていい。
千葉ロッテマリーンズ
〇１位 佐々木朗希 大船渡高 投手
２位 佐藤都志也 東洋大 捕手
３位 高部瑛斗 国士舘大 外野手
４位 横山陸人 専大松戸高 投手
５位 福田光輝 法政大 内野手
育１位 本前郁也 北翔大 投手
育２位 植田将太 慶應義塾大 捕手
井口監督：去年藤原を引いてから、プレッシャーをかけられていたのでほっとしています。ドラフトで（当たり）くじを引いた夢を見たので引けるだろうなと思いながら引いた。
阪神タイガース
１位 奥川恭伸 星稜高 投手
１位 西純矢 創志学園高 投手
２位 井上広大 履正社高 外野手
３位 及川雅貴 横浜高 投手
４位 遠藤成 東海大相模高 内野手
５位 藤田健斗 中京学院大中京高 捕手
６位 小川一平 東海大学九州キャンパス 投手
育１位 小野寺暖 大阪商大 外野手
育２位 奥山皓太 静岡大 外野手
矢野監督：タイガースファンが大好きそうな選手をとれてホッとしている。速い球、変化球ももちろんいい。内面の強さと体の強さとトータル的に「強さ」を持った投手。
東北楽天ゴールデンイーグルス
１位 佐々木朗希 大船渡高 投手
１位 小深田大翔 大阪ガス 内野手
２位 黒川史陽 智弁和歌山高 内野手
３位 津留崎大成 慶應義塾大 投手
４位 武藤敦貴 都城東高 外野手
５位 福森耀真 九州産大 投手
６位 滝中瞭太 ホンダ鈴鹿 投手
７位 水上桂 明石商高 捕手
育１位 江川侑斗 大分高 捕手
育２位 小峯新陸 鹿児島城西高 投手
育３位 山崎真彰 ハワイ大 内野手
育４位 沢野聖悠 誉高 内野手
三木監督：持ち味のスピードを生かして、即戦力として既存の選手と競争してほしい。打撃もしぶとく、守備も堅実。内野なら遊撃に限らず守れると聞いている。
横浜DeNAベイスターズ
１位 森敬斗 桐蔭学園高 内野手
２位 坂本裕哉 立命大 投手
３位 伊勢大夢 明治大 投手
４位 東妻純平 智弁和歌山高 捕手
５位 田部隼人 開星高 内野手
６位 蝦名達夫 青森大 外野手
７位 浅田将汰 有明高 投手
ラミレス監督：一番欲しい選手が取れた。彼はオールラウンドの選手。走攻守そろっているし、将来、横浜DeNAベイスターズを背負って立つスーパースターになれる存在。
福岡ソフトバンクホークス
１位 石川昂弥 東邦高 内野手
１位 佐藤直樹 ＪＲ西日本 外野手
２位 海野隆司 東海大 捕手
３位 津森宥紀 東北福祉大 投手
４位 小林珠維 東海大札幌高 投手
５位 柳町達 慶應義塾大 外野手
育１位 石塚綜一郎 黒沢尻工高 捕手
育２位 大関友久 仙台大 投手
育３位 伊藤大将 八戸学院光星高 内野手
育４位 勝連大稀 興南高 内野手
育５位 舟越秀虎 城北高 外野手
育６位 荒木翔太 千原台高 内野手
育７位 村上舜 山形中央高 投手
工藤監督：走攻守3拍子そろっている選手はそういない。うちは右打者が少ないので、即戦力で考えて取りました。次の世代を担う野手を取るのが急務。
読売ジャイアンツ
１位 奥川恭伸 星稜高 投手
１位 宮川哲 東芝 投手
１位 堀田賢慎 青森山田高 投手
２位 太田龍 ＪＲ東日本 投手
３位 菊田拡和 常総学院高 内野手
４位 井上温大 前橋商高 投手
５位 山瀬慎之助 星稜高 捕手
６位 伊藤海斗 酒田南高 外野手
育１位 平間隼人 四国ＩＬ徳島 内野手
育２位 加藤壮太 ＢＣ武蔵 外野手
原監督：将来性もすごくある、バランスのいいドラフトができた。（3位菊田は）和真（岡本）に勝るとも劣らない迫力がある選手。95点ぐらいじゃないでしょうか。
埼玉西武ライオンズ
１位 佐々木朗希 大船渡高 投手
１位 宮川哲 東芝 投手
２位 浜屋将太 三菱日立ＰＳ横浜 投手
３位 松岡洸希 ＢＣ武蔵 投手
４位 川野涼多 九州学院高 内野手
５位 柘植世那 ホンダ鈴鹿 捕手
６位 井上広輝 日大三高 投手
７位 上間永遠 四国ＩＬ徳島 投手
８位 岸潤一郎 四国ＩＬ徳島 外野手
育１位 出井敏博 神奈川大 投手
辻監督：即戦力というところで最高の選手。真っすぐの質もいい、力もある。変化球もいける完成された投手。うちの打線なら2ケタ（勝利）もチャンスがある。
なお、ドラゴンズにとっては4球団が競合し、与田監督が当たりくじを引いた根尾昂選手（大阪桐蔭高）に続いて2年連続。ドラゴンズのドラフト1位指名において2年連続で抽選で当たりを引いたのは、現行制度前になる1986年の近藤真一さん（享栄高＝5球団）、1987年の立浪和義さん（PL学園高＝2球団）以来の2度目です。この時、どちらも抽選に参加したのは当時監督だった星野仙一さんでした。
ドラフトの抽選の勝率も大事ですが、与田監督には試合でも勝ち運を引き寄せて、ペナントレースの勝率とともに順位も高くしてほしいものです。
