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「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!!」
さて、この叫びは、かつての大ヒットした映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間」(1998年)の織田裕二さん演じる青島俊作刑事の名セリフです。
会議室の幹部が明確な指示を出さないため、現場にいる刑事は遠く離れた会議室の幹部に対していら立ち、現場の犯人を取り逃がしそうになっていました。
意思決定機関である「お上」に対して不満を爆発させたこの場面。日常から同じような不満を抱えている人たちの心情を代弁し、映画のヒットとともにこの名セリフは流行語となりました。
今の日本国民のほとんどの方は、このセリフを思っているのではないでしょうか。少なからずも、私はそう思えます。
さてさて、1日当たりの判明感染者数が拡大し続ける新型コロナウイルス。医療専門家などからは、「緊急事態宣言を発令すべき」との声が挙がっていますが、日本政府はまだ、「その状況ではない」として入るものの、先日の衆議院本会議で安倍晋三首相は、「躊躇(ちゅうちょ)なく宣言する」と発言しています。
個人的には、早々に緊急事態宣言が発令される可能性は少ないとは思うのですが、精神的に追い詰められた場合には、開き直って、いきなり宣言してしまう可能性は否定できないと考えます。
ただ、いまだに具体的にどのような措置が取られるかの説明はありません。発令する前には、「どのようなことをするのか」を簡潔明瞭に国民に徹底した説明は必要だと思います。事前説明してしまうと、「いよいよか」となって社会混乱するかも知れませんが、いきなりの宣言ともなれば、大混乱を引き起こすことは明らかなことだと想像します。
残念ながら、現状での対応は会議室で報告を受け、自分たちの尺度でものごとを考えているだけで、現場の状況を自分の足で確認することを怠っているようにしか思えてなりません。その結果が緊急対策として最初に決定したのが、「アベノマスク」なのだと思うと、悲しくなってしまいます。
さてさてさて、この緊急事態宣言は、3月14日に施行された改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づき、「国民の生命と健康に重大な被害を与え」「ウイルスの全国的かつ急速なまん延で生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある」という2つの要件に該当するかどうかついて、専門家組織である諮問委員会の判断を仰いだうえで、安倍首相が期間と区域を定めて発令できます。
宣言が発令されたあとは指定区域の都道府県知事が具体的な措置を実施します。
・住人への不要不急の外出自粛を要請
・大勢の人が利用する学校や社会福祉施設、映画、音楽、スポーツなどの制限を要請
・医療施設を臨時に開設するため、所有者の同意を得ず土地や建物を使用することが可能
・医薬品や食品の所有者が売り渡し要請に応じない場合の収用の強制措置
土地の使用や医薬品の収用などは強制力を伴う措置になりますが、私たちの暮らしにとり切実な問題となる外出に関しては、あくまで「自粛要請」になります。
ただし、外出の際に気になることは、鉄道などの公共交通機関の運行です。特措法には、宣言が出た場合に首相や都道府県知事が「指定公共機関(JRや東京メトロなど)に対し感染防止対策を巡る総合調整を実施する権限がある」と明記されています。これは、運行停止や間引き運転を想定したものではないとのことですが・・・。
という感じです。つまり、現在も各地の知事は住人に対し外出自粛を要請している。宣言が発令されると、その要請に「法的裏付け」ができたことになるため、結果的に強硬なイメージがついて回る「都市封鎖(ロックダウン)」となると考えていいと思います。
ただ、宣言によって考慮しなくてはならないのが補償の問題でしょう。欧米では外出制限とセットで対象者への現金給付のほか、休業店舗や失業者への補償など手厚い支援策が設けられています。日本政府も補償対策をまとめるとしていますが、欧米に比べ具体化に時間がかかってしまって、やることなすこと後手後手になってしまっています。
今、現実の社会では何が起こっているのかを直視して、早急に意思決定しなければならないとはずなのですが・・・。
「事件」は「現場」で起きています。しかし、本当の「問題」は、何も決められない「会議室」で起こっているのかも知れないです。いや、もしかすると、「会議」すら「会議室で起きてない」のかも知れません。