野球小僧

なくそう長時間労働 / 申告敬遠

最近問題となっております長時間労働、あるいは残業時間。いろいろな問題を引き起こしています。特に、肉体的・精神的健康問題。人の身体を蝕み、また大きなストレスを生むものであります。特に某社の新人社員の事件がニュースで大きく報道されて以来、長時間労働は企業にとって大きな法的リスク要因となっており、働き方・働かせ方を変える・考えなければならないことは動かしようがありません。

使用者は残業時間を短縮できるような働かせ方を工夫するでしょうし、労働者は長時間労働が会社への忠誠の証しとして自慢するような風潮から、仕事の効率を競う方向に変化していくことでしょう。

こういうことに素早く反応する企業は日本にもあり、ブリヂストンは4月から社員の所定労働時間を1日あたり7時間30分と、これまでの8時間から30分短縮、味の素も所定労働時間を1日あたり7時間に縮める方針を決めています。これらは、短い時間で効率的に働き、家事や育児などにも取り組みやすい環境を整えるというものです。もちろん、基本給を変えずに所定労働時間を短くする「時短労働」がです。

オリックス(プロ野球チームではない、本丸の方です)は4月より国内各社グループで「所定労働時間の短縮」、「リフレッシュ休暇取得奨励金制度の新設」および「有給休暇付与最低日数の引き上げ」を行います。現在7時間20分を20分短縮し、7時間の労働時間とします。ここも給与変更は行わないことから、時間当たり4.8%の実質ベースアップです。これによって、働き方改革の大きなテーマである生産性向上と長時間労働是正につなげます。「リフレッシュ休暇取得奨励金制度」は、 5営業日以上の連続休暇取得に対して 3~5万円の奨励金を支給するというものです。

はるやまホールディングスは、月間の残業時間ゼロを達成した社員に「No 残業手当」1万5000円を一律支給する制度を4月から導入します。「スーツで日本を健康にする」の企業宣言の前に、「社員の健康を応援し、まず社内から健康で元気になります」というところでしょう。

こうなってきますと、これまで(一部の)労働者が「だらだら残業」で稼ぐことができた残業代を縮小できるため、使用者は人件費抑制のメリットはありそうです。こうした能率の改善があるのでなければ、使用者に働き方改革を進めるインセンティブが起きにくいものです。逆に、一人の最大労働時間が短縮されると、人手不足の圧力は一段と高まることになります。となると、将来の賃金交渉は労働者に有利に変化するかも知れません。

そもそも、法律は人を守るものではあるのですが、抜け穴のある法律なのです。それが、使用者によって誤った使い方をされてしまっているのです。労働基準法32条では、使用者に対し「週40時間を超えて労働させてはならない」「一日について8時間を超えて労働させてはならない」と定めています。「ならない」とある以上、一日8時間、週40時間は働く上限というのが大前提です。ただ、これを超える時間外労働を認めるのが36条です。使用者と労働者が協定を結び、労働基準監督署に届け出れば「協定で定めるところによって労働時間を延長し、休日に労働させることができる」としている。通称「サブロク協定」と呼ばれています。一応、このサブロク協定にも上限があります。厚生労働省の「時間外労働の限度に関する基準」では、一般労働者の場合、時間外労働の上限は月45時間、年360時間などと定められています。しかし、さらに抜け穴があり、「臨時的・特別な事情」を想定して、「特別条項付き協定」を労使で結んでおけば、この上限を超えて働かせることができるのです。

このように労働時間が青天井となっているため、独身者には婚活の時間がなく、結婚していても男性の育児参加は望められません。超少子化が進み、労働人口は減っていく一方です。子育てや介護など制約の多い人たちの働きが評価されずに退職を余儀なくされれば、家計も縮小し、消費も減退します。一人一人の暮らしに力を付けなければ、国力も衰退していくことでしょう。一番はサブロク協定で定める残業時間の上限を法改正により罰則付きで規制することだと考えます。

さてさて。MLBで試合時間短縮のための改革案のひとつとして、敬遠を申告制にするルールを導入する計画があることが判明したというニュースが、2月8日に朝日新聞デジタルに掲載されました。敬遠の申告制とは、意思表示をすれば、ピッチャーがボールを4球投げなくても、バッターを一塁に歩かせることができるというものです。既に機構がルール変更を選手会に通告しているようで、合意に至れば導入されることになっています。さらにMLBでルール変更されれば、NPBでも導入される法則の下、1年後には日本も習うことでしょう。

これに対して、敬遠の申告制についてネット上では

「くだらんブーイングを聞く時間が減るので敬遠の申告制導入に賛成」
「これは、“大賛成”! (投げるだけ、ムダ)」

といった賛成意見は少数だそうです。

「そもそも野球は、投球から全てが始まる。ボールを投げ無いと言うのは、もはや野球ではない」
「投げないで歩かせる。もう野球じゃないね」
「それならホームランは回らなくていいのか? 他に削るところあるのに」
「敬遠のボールを打っちゃう輩がいるかもしれない的なワクワク感がなくなる。これはこうなってほしくないな・・・」
「敬遠球を投げる投手への心理変化、暴投、盗塁、ホームスチール。いろんなドラマがある場面を試合時間短縮のためにルールにするとか何なの???」

などの反対派が圧倒的に多く、

「もっと他に時短できる所あると思うんだけどな~。敬遠申告制はちょっと味気がなさ過ぎるよ」
「敬遠が1試合1回として、1分ぐらいしか短くならないだろ?」

と、見直すところはそこではないと指摘もしています。さらに、一部ファンが指摘している、クロマティさん(元読売ジャイアンツ)や新庄剛志さん(元阪神タイガースほか)など、敬遠のボールを打ってサヨナラヒットというシーンは見られなくなってしまいます。

NPBでは2008年から「試合時間マイナス6%」を目標に「攻守交代は全力疾走」「投手は(無走者時)、捕手から返球を受けて15秒以内に投球」「バッターボックスは、絶対に外さない」など「Speed Up 11ヵ条」を明示しています。2015年にはNPBコミッショナーが、時間短縮などを検討する「ゲームオペレーション委員会」を設立するなど、時短が大きな課題となっています。

どちらも、現在の働き方を改めなくてはなりません。そして、落胆することのない成果を期待したいものです。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
ここ一年、入社以来「こんなに働いているのかぁ」と自分でも思えるほど、時間外残業が多い私です。

よって、帰宅時間が遅い→夕飯が遅い→すぐ寝る or 睡眠時間が遅くなる → 体調悪いの状況です。

だいたい、どこかの上の方は「残業が長ければ仕事をしている」という、典型的な前世紀的妄想ですからね。

プレミアムフライデーとは、いったい何十年後にやってくることやら・・・
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

月70だとか100だとか出ていますよね~
不払い労働がなくなればいいんですけど・・
求職者相手にしていても結構求人票の休日日数や労働時間気にする人多いです。

敬遠申告制は面白みが一つ減りますよね。
敬遠球を打つことはそうないとは思いますが・・・
NPBが改訂したら高野連もするんですかね?

今週金曜日からプレミアムフライデーですね。
うちの職場でも積極的に行いましょうと連絡が回っていました。
でも私は実施しません!!!
なぜならその日お休み頂いているからです(笑)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最新の画像もっと見る

最近の「プロ野球」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事