【意味】
草野球（くさやきゅう）とは、素人が集まってする野球。
【語源・由来・成り立ち】
接頭語としての「草」には、広く誰でも、本格的ではないといった意味がふくまれています。
比較的規模の小さな競馬をいう「草競馬」、素人の相撲をいう「草相撲」など。
なお草の根運動の「草の根」も同じように、直訳すれば地区、末端、基礎等の意味であり、派生して大衆といった広い範囲の対象を指します。
草野球も広く誰でも参加できるという意味では相通じています。
1980年1月14日から7月14日までテレビ朝日系列局で放送されていたテレビドラマ「草野球・草家族」というのがありました。東京の下町を舞台に、歯科医の加島順太郎を中心に順太郎の娘・八千代、教師、ガソリンスタンド店主、酒屋、サラリーマンなどから警官、ヤクザに至るまでの町の人々が集まって草野球チーム「トンネルズ」を結成。初めての対抗試合は0対78という大惨敗を喫するが、家庭も顧みずに野球に熱中するチームメンバーたちの悪戦苦闘を描いた人情コメディ、成人版スポ根ドラマです。
このように草野球と一口に言っても、実際には近所の商店街連中で結成するようなチームから、会社のチーム、硬式野球経験者を選りすぐって結成するようなチームまでピンキリなのが現実です。もちろん、チーム事情によって目的、目標も当然違います。
また、草野球でも全国規模の大会があります。
大手主催者の一つに、「全国軟式野球統一王座決定戦・ジャパンカップ」（ストロングリーグ主催）があります。社会人野球チームも参加していますが、大半が草野球チームで、同リーグへの登録チーム数は4,000を超えており、高校野球並みです。年間にリーグ戦形式、トーナメント戦形式の複数の加盟大会を開催し、各大会の優勝チームを集めて全国大会であるジャパンカップを開催しています。全国大会は東京ドームや京セラドーム、阪神甲子園球場など野球人憧れの球場で行われています。
パチンコ企業のマルハンが主催する「マルハンドリームカップ全国ベースボールトーナメント」は、全国約1000チームが参加し、こちらも規模が大きい。各地区大会を勝ち抜いたチームが全国大会で競い合います。
スポーツ新聞のサンケイスポーツが主催する「サンスポ野球大会」は最古の歴史があり、1978年に東日本第1回開催、1979年から西日本第1回が開催されています。東日本ブロックは埼玉県のサンケイスポーツセンターをメインとして「ミズノカップ」、西日本ブロックは大阪府の淀川河川公園で「淀川環境管理財団杯」の冠タイトルで行われます。両地区優勝チームは7月に行われる「ミズノカップ・東西決戦」で「草野球実力日本一」を決めます。
このように、誰でもが参加でき、小さな大会から大規模な大会まで開催しているのが草野球大会の特徴とも言えます。
「全員野球で、一致結束を」
というお題目で民進党、立憲民主党、希望の党の有志議員らが12月5日に草野球チーム「カチマス」を結成しました。これは民進前代表で現；希望の党の前原誠司議員が2016年に設立した「民進カチマス」の再結集で、前原議員自身が主将に就任しました。民進党分裂のMVPだった前原議員ですが、野球を通じた3党連携は果たして上手くいくのでしょうか。
副主将に民進党の那谷屋正義・参院国会対策委員長、マネージャーに無所属のまま立憲の衆院会派に所属する山尾志桜里議員を充て、来年3月には少年野球チームとの交流試合に臨む予定だそうです。
ちなみに、選挙前の9月10日に民進カチマスが福島県喜多方市で地元中学生チームとの練習試合をしています。このときは前原議員が党代表に就任した記念すべき初陣のはずが、前原議員はマネージャーの山尾志桜里議員の不倫疑惑による離党もあって、欠場しています。また、約40人いるメンバーも地元回りや公務が重なり、10人弱しか集まらず、地元福島の県議や市議らの補強選手での試合でした。結果は幸先よく先制したものの、中盤に差を広げられ3-10で敗北しています。結果的にはこの後の選挙も負けですので連敗中です。
どうでもいい話かもしれませんが、カチマスのエース・階猛議員は元；高校・大学野球球児です。岩手県立盛岡第一高校から2年間の浪人生活を経て、東京大学に入学。元；千葉ロッテマリーンズの小林至さんと同期で、二年春から先発投手を任されました。将来のエースを嘱望されていましたが、肩を壊してしまい、通算成績は0勝5敗、防御率4.51という成績でした。
この時の観客は10人に満たない寂しい試合だったそうです。
