「俺はクライマックスシリーズは嫌いだ。黙って巨人を日本シリーズに出せ。」
プロ野球のセ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まっています。ここ数年、このCSは、高みの見物(?)しており、実質的な興味はほとんどありません。というか、持てません。
今年のセ・リーグは、リーグ3位の阪神タイガースが1勝1敗から2位の横浜DeNAベイスターズを破り、いわゆる「下剋上」でファイナルステージに進出しました。一方のパ・リーグは、リーグ2位の福岡ソフトバンクホークスが3位の東北楽天ゴールデンイーグルスを破り、順位なりの「順当」にファイナルステージ進出を決めました。
セ・リーグは1位と3位のファイナルステージとなり、3位タイガースが読売ジャイアンツを下せば、2017年のベイスターズ以来となるリーグ3位のチームが日本シリーズ進出となるのですが・・・。
昨年は、パ・リーグ2位のホークスが日本シリーズで広島東洋カープを4勝1敗1分で破り、下剋上となりました。このことで、毎年のように一部ファンや関係者からはCSを巡っての議論が起こります。
CSは2007年に導入され、今年で13年目になります。レギュラーシーズンの2位と3位のチームがファーストステージ(3試合制)で対戦し、勝ち残ったチームがファイナルステージ(6試合制)でリーグ優勝チームと対戦します。そしてその勝利チームが日本シリーズの出場権を得ます。このCS制度のため、いわゆる消化試合が少なくなり、シーズン終盤までCS争いが展開されるというメリットがあります。
また、日本野球機構(NPB)主催の日本シリーズと異なり、レギュラーシーズンと同様に、CSはホームチームが主催します。よって、主催チームは入場料やグッズ・飲食販売などの収入メリットがあります。
レギュラーシーズンで優勝を逃したが、Aクラス(2位と3位)のチームにとってCSは、下剋上のチャンスであり、ファンにとってはお楽しみが続くのです。
昨年のCSファイナルステージ第3戦、カープ vs. ジャイアンツ(2018年10月19日・マツダスタジアム)は広島テレビ(日本テレビ系)が地上波で放送し、広島地区でなんと平均視聴率49.1%を記録したほどでもあります。
一方、根強いのがCS不要論です。これまた野球ファンだけではなく、球界関係者からCSの存在そのものを疑問視する声は以前から絶えません。実際、下克上ともなれば、シーズン優勝がかすんでしまうということも考えられます。
そのような背景がある中で、ジャイアンツファンを公言している河野太郎防衛大臣が10月5日に更新したTwitterが冒頭のコメントです(まあ、河野大臣のは暴投ですが)。
事の発端は、あるTwitterユーザーが河野大臣へ向けた、「明日のCSはDeNAと阪神どちらが勝つと思いますか?」という質問でした。これに対して、河野大臣は、「俺はクライマックスシリーズは嫌いだ。黙って巨人を日本シリーズに出せ」と、リツイートしたのです。
なお、河野大臣のツイートに対しては、杉田水脈議員(自民党)は、「そうは問屋が、いえ、阪神が許さない(笑)です、大臣」、原田憲治議員(自民党)は、「阪神ファンとしてはそうはいかない!」と、ツイートしています。
CSファイナルステージでセ1位・ジャイアンツ、パ1位・埼玉西武ライオンズの双方が日本シリーズに進出できないようなことがあれば、再び「なんなんだ、このCS制度は?」ともなるでしょうけど、10年以上に渡って定着しているものでもあり、これはこれで、いいんじゃないでしょうか、大臣どの。