野球小僧

2017 言葉で振り返る 高校野球

甲子園という場所は、行けそうで行けない場所でした。

今年は埼玉県代表・花咲徳栄高校の優勝で幕を閉じた2017年夏の甲子園でした。勝っても負けても今年もまた、いろんな言葉がグラウンドに残りました。

■「なかなか辞めさせてもらえないね」 日本文理高校 大井道夫監督
75歳の大井監督は今夏限りで引退を表明していました。しかし、日本文理高が10月に行われる国体に出場が決定したことで引退が延び、この言葉で選手達へ感謝の気持ちを表した。

「“最強のヘボ軍団”が“最高のヘボ軍団”になりました」 藤枝明誠高校 光岡孝監督
藤枝が“サッカーのまち”であること、選手個々の能力がずば抜けて高いわけではないことから、光岡監督は努力で「最強のヘボ軍団になれ」とチームを鼓舞していました。初戦で敗退してしまいましたが、監督は選手達を「最高」という言葉で称えました。

「堂々と北海道に帰ろうね」 滝川西高校 小野寺大樹監督
顔がゴリラに似ていることから、部員達に「ゴリラ監督」と呼ばれた小野寺監督の言葉です。部員と監督の距離が近いということだろう。語尾の“ね”の部分が、生徒と同じ目線に立っていたことを表しています。

「クソチーム、クソ野郎、ずっと言ってきたけど、敗因は俺だ」 聖光学院高校 斎藤智也監督
厳しいことで知られる斎藤監督が負けた選手達に言った言葉です。この後にも、「想定を越えた」「ベストピッチ」と、選手たちを褒めちぎりました。

「あそこまでピッチャーが打たれるとは、横で見てて不思議でしょうがなかった。あとでビデオを見て分析します」 山梨学院高校 吉田洸二監督
前橋育英高打線に12点を奪われての敗戦でした。

「(試合直後の感想を求められ、潤んだ瞳で一瞬、間を置いた)最高の2時間でした。下関国際の名前がスコアボードに入っているのを見て、本当に感動しました。選手たちは諦めないということを、これからもやってほしい」 下関国際高校 坂原秀尚監督
荒れていた野球部を立て直して、春夏通じて初めての甲子園出場です。

「負けましたがみんながひとつになってくれた。これから彼らの次の人生に向けて、激励の言葉をかけたいと思う」 興南高校 我喜屋優監督
6点を先制しましたが逆転負けでした。

「日本で4番目に長い夏を過ごせた」 天理高校 神野太樹外野手
ベスト4で広陵高に敗れるも、“天理の底力”という言葉がTwitterを賑わせるほど、天理高は最後まで粘りを見せ、夏を簡単には終わらせませんでした。

「後輩たちには、反面教師にしてほしい」 早稲田佐賀高校 占部晃太朗主将
早稲田佐賀高は初出場、初戦敗退でした。しかし、後輩達が再び甲子園に戻ってくることを信じて疑わない主将の言葉です。

「あと2回チャンスある」 明桜高校 山口航輝投手
県大会決勝でケガを右肩を痛めて、甲子園出場が叶わなかった二年生エース。この言葉を口にし、土を持ち帰らずに甲子園を去りました。

「芯を食ったセンター前なので自信になります。甲子園の砂は学校に持ち帰って、ベンチに入れなかった3年生たちに分けます。彼らがいて僕らは甲子園に出られた。(ずっと笑顔)今年の夏は笑顔で野球をしようと決めていたので、最後まで貫き通そうかと。宿舎に帰ってから泣きたいと思います」 横浜高校 増田珠外野手
プロ注目の打者も甲子園では1安打で終わりました。

「ファウルの打球すら速いです」 米子松蔭高校 津島隼人外野手
優勝候補の大阪桐蔭高に敗れ、その印象を聞かれて答えました。

「次は僕がエースになって、もう少しガッツリした体型にして甲子園に戻ってきます。ご飯1日3食では無理なので5食食べます」 鳴門渦潮高校 鈴江竜飛投手
二年生投手ながら緊急リリーフ登板で好投しました。

「ベンチ入りが決まったとき、自分はどうやったらチームの役に立てるんだろうと考えて、ピンチでも笑顔でいようと決めました。(選手たちが)どう思っているのかわからないので、取り敢えずって感じですけれど(笑)」「ユニフォームをもらったとき、すごく嬉しかったです! 家に帰ってさっそく着て、鏡の前でポーズ取りました」 早稲田佐賀高校 栗山侑子記録員
女子マネージャー、記録員としてベンチ入り。敗戦後も終始笑顔でした。

「選手たちはみんな彼女に感謝しています。佐賀大会が始まる前、選手たちの発案で彼女にユニフォームをプレゼントしました。背番号が『0』というのがいい。(ベンチ入り最後の番号のあとである)『21』じゃない。彼女からこのチームは始まるんです」 早稲田佐賀高校 百武将部長

「阪口監督から『お前は1年から使う』と言われて嬉しかった。7をもらったときは『僕でいいのかな』と思いましたが、3年生から『お前が遠慮してプレーしてたら腹が立つから、思い切ってやれ』と言われて気が楽になりました。でも、あんだけ練習してても初戦で負けてしまう。僕は今日から練習を始めます」 大垣日大高校 内藤圭史外野手
一年生ながら背番号7、五番打者として3安打の活躍でした。

「僕の野球は高校で終わり。大学に行って将来は銀行員になりたい。北海道の過疎の町に貢献したいです」 滝川西高校 三上竜輝内野手
北北海道代表。会計ビジネス科で学んでいます。

「こんな言い方したらあれですけれど、僕たちには去年のようなスター選手がいないので、凡人がしっかり努力してこの甲子園です。それが見せられて良かった」 作新学院高校 加藤翼捕手
昨夏はエース今井達也投手(埼玉西武ライオンズドラフト)を擁して優勝。夏連覇を狙ったが、初戦敗退でした。

「(さっぱりした表情)力不足ということを受け止めていますから。(サヨナラ打は)キャッチャーが構えたミットだけ見て投げました」 波佐見高校 川口侑宏投手
9回逆転サヨナラ負けでした。

「今日の試合だけ見れば悔いが残りますが、自分たちがやってきたことに悔いはない。甲子園に出るための練習をしてきたが、勝つための練習が必要だと思った」 東筑高校 安部滉平主将
福岡屈指の公立進学校が地元の私立強豪を次々と破っての甲子園出場でした。

「セカンドにランナーがいたから前進守備をしていたぶんだけ、追いきれませんでした。ボールが地面に落ちた瞬間、ソウ(久保田蒼布投手)の顔が浮かんで、申し訳ないと……」 藤枝明誠高校 常盤勇汰中堅手
センター越えの打球を追いきれず、サヨナラ打に。

「最後は自分しかいないと思い、しっかり準備できていました。大観衆のなかで、満足できる投球ができました」 高岡商高校 伏見拓真投手
9回に味方が7失点したあとの2アウトから甲子園初登板。三年生最後の投球は5球でした。

来年はどんな試合を見せてくれるのでしょうか。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
思い起こせば、夏の大会から半年足らず。非常に長く感じます。

現役生を通勤途上で見ると、一年前のことが昨日のように思い出されます。

もうすぐ、新しい年のスタートですが、寝年越しのスタートではなく、タミフル飲んで、ちゃんとしたスタートを切りたいです。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

インフルエンザは快方に向かっていますか?

台本にない心からの真言葉・・いいですよね!
>「クソチーム、クソ野郎、ずっと言ってきたけど、敗因は俺だ」 聖光学院高校 斎藤智也監督
 ↑こんな指導者 いいですね~(個人の感想です。)

3月23日から始まる第90回記念選抜高校野球大会
楽しみにしましょう^^b
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