休養

「休養」とは
･きたるべき活動に備え、勤め･仕事などをしばらく休み、心身の疲れをいやすこと
･気力や体力を養うために仕事などをしばらく休むこと
･休息して体力をつけること


こんなような意味合いで使うことが一般的。

ただ、業界によってはまったく違う意味合いを持つこともあります。それが日本のプロ野球界。

2024年シーズンも終わり（のはず）、あとはポストシーズン。ポストシーズンにほとんど関係のない球団では、2025年の監督交代の話がでていますね。

2024年5月26日に埼玉西武ライオンズ･松井稼頭央監督が休養することが発表され、交流戦からは渡辺久信GMが監督代行として指揮を執っていました。

私にとってはある意味、衝撃的な「所沢の変」というニュース。

というのも、松井稼頭央監督はまだ2年めにはいったところ。監督に就任した2023年は5位、2年めはここまで最下位で自力優勝の可能性がなくなったと言っても、開幕からまだ2ヶ月ですから。

事情が違っていたとしても、チーム低迷が原因だとしたら、我らが中日ドラゴンズの2022年、2023年、2024年に「名古屋の変」があったとしても不思議ではないですので。

さて、プロ野球の監督の「休養」。

同じライオンズで記憶に新しいところでは2014年に監督就任した伊原春樹さん。

2014年6月4日の時点で20勝33敗の最下位。6月3日に球団に休養を申し入れ、翌4日に了承され、監督代行に打撃コーチの田辺徳雄さんが就任することを発表。6月27日、球団に監督の辞任を申し入れ、了承され、7月1日付で球団本部付アドバイザーに就任。同年末で退団。

このときは交流戦の最中でした。

井原春樹さんは前回監督就任1年目の2002年には4年ぶりのリーグ優勝に導き、2003年は2位と言う好成績ではあったものの、後身の育成として当初から予定されていた伊東勉さんの監督就任を受け、退任。

そもそも、休養ですから、休養後はよほどの事情でもない限り戻ってくるのが一般的。でも、プロ野球の監督の休養は事実上の更迭または、解任という意味。

その点、Jリーグでは成績低迷ともあれば、すぐに解任報道ですから、この差はまったく違います。

ちなみに、成績不振によって休養した場合、シーズン中に復帰することは記憶にはありません。そのまま退任するパターン。

成績不振以外では、2022年に北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督が新型コロナウイルス感染により休養。監督代行に就任した山田勝彦さんも感染したために、監督代行の代行として木田優夫さんが就任し、その後、新庄剛志監督が復帰したことが最近ではあったくらいです。

さてさて、そんな休養ですが、私が調べてみたところ最初に休養したのは1955年に阪神タイガース監督に就任した岸一郎さん。

試合中の不祥事の責任を取って、1954年シーズン終了時に退団した松木謙治郎さんの後任として監督就任。就任については諸説あるようでして、一説によれば当時のオーナーが所用で運輸省を訪れた際、雑談として次期監督を探していると話したところ、紹介され、断り切れなかったとされています。また、毎試合のように球団に投書を送り指南をしていたところ、目をつけられたという説もあり（ちなみに、プロ野球球団の所属の記録はありません）。

監督に就任後は戦力の新旧交替に着手。投手陣では衰えの見え始めていたベテランに代えて若手中心に先発ローテーション制を導入。野手では投手から転向した田宮謙次郎さんを4番に据えたりしました。

しかし、ベテラン勢からの反発に遭い、また、対読売ジャイアンツ9連敗が響き、33試合目を終えたところで、5月21日に「痔の治療」という名目で休養。休養後も二軍のグラウンドへ定期的に訪れ、若手投手陣たちに声をかけていたとのこと。

その後1956年、2年契約で技術顧問として球団に残っていたものの、業務は二軍のグラウンドに行ったり、スカウトの手伝いとしてアマチュアの投手を観に行ったりすることだったそうです。

監督通算成績
33試合 16勝17敗 勝率 .485

本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。

今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。

また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。