【終局の作法 ~ 勝敗が決していないのに感想戦に入るのは✕です
男も女も、黙ってダメを詰め、整地し、数えませう の巻】
黒 芈昱廷九段
白 アルファ碁マスター
311手完、白半目勝ち
井山最強クラスの打ち手がごろごろ存在する
中国、韓国のプロ碁界に君臨する怪物の一人と、
進化系最強AIとのネット対局です
2017年の年初ごろに打たれ
AIが日中韓トップ級に60戦全勝した時の棋譜
そのうち人間が大善戦したとされる一局
終盤まで白がはっきり優勢でしたが
AIが半目勝ちを読み切り
最後まで打ち進んで数えました
* * *
アマの碁では
ダメも詰めず、終局してもいないのに
碁盤を放置して感想戦が始まる――
そういう奇妙な風景が見られます
いくら親睦の碁とはいえ
これはいかがでしょうか?
黙って最後までダメを詰め
きちんと整地をし
相手にも ひと目で分かるような形にし
「半目ですか?」と確認して
互いに頭を下げる――
というのが、本当の碁ではないでしょうか
芈昱廷(み・いくてい、1996年~) 中国のトップ棋士の一人。九段。名人戦2連覇、Mlily夢百合杯世界囲碁オープン戦優勝など。達人肌の一手を随所に繰り出すことで知られる。層の厚い中国トップ圏で、十代半ばから居座る怪物の一角。
▼右下に現代的な厳しい感覚のつばぜり合い
左上で大ナダレ定石が出現し、盤上は難解な全面戦争の様相に
▼最後は上辺の半コウ争いで小ヨセが進み、終局
中央はダメ詰めの前に、白が手入れをしている
▼互いにダメを詰め、10目形あるいは20目形に整地
相手も自分も「ひと目」で数が分かるようにする
ここまでやってから、感想戦に入りましょう