【偽りの友情を撃て！】
最初は、寄り合い
ほほえましい
と おもっていたけれど
だんだんと
厚かましくなってくるヤツ――
◇
礼とは利口さである
したがって
非礼は愚かさである
非礼によって
無用かつ軽率に
敵を作るのは
我が家に火を放つに等しい
〇✕△▢沙汰である
任せきりで
放任しておいても
かまわないような
性格はない
どんな性格でも
概念と規範による
指導が必要である
われわれが交渉を持ち
あるいは交際している人間が
不快な態度 ないし
腹の立つような態度を取った場合
今度幾度か同じ態度を
しかも輪をかけてとられても
我慢する気持ちになるくらいに
大事な人間であるかどうかを
心に問うてみさえすればよい
［ 赦してして水に流すのは
自分の得た貴重な経験を
むざむざ捨てるようなものだ ］
その人が
それほど大事な人間なら
何を言っても
まずどうにもならないだろうから
それについて言うべきことは
あまりない
小言を言うなり
言わぬなりして
事を水に流すほかないが
しかしそれは
もう一度やってくれ
と頼んだも同然だと
覚悟するがよい
反対に
それほど大事な人間でなければ
即座に、かつ永久に
この親友と断交するか
召使いなら解雇するか
しなければならない
なぜかといえば
今は厳かに誠心誠意
それとは反対のことを
誓っていても
いざとなれば
全く同じこと
少なくとも
そっくりなことをするに
決まっているからである
性格は全く修正の効かないものである
ひとたび断交した友と
仲直りすれば
それが弱みになる
――ショーペンハウアー
