【晩学でも落ちこぼれでもいいじゃないか】
好むと好まざるとにかかわらず
時代の風をやり過ごせないのが
この世の常であって
その事実を歴史が物語ってきた
加速度を増すデジタル社会を疎ましく思い
無縁でいられたら、どんなに心静かに暮らせるか
と夢想しても、ひとり後戻りできるワケでもなし
取り残されて苦い思いに浸るのがオチである
平均年齢80歳超の五十人碁会が
突然ぱあっと明るくなる
なあんてことは想像だにできないが
そう湿っぽくならないには
どうすればよろしいかを
ときどき夢に見るこのごろ
ついに二人になってしまった女性会員を
なんとか二桁近くにまで増やしていく?
現役世代の新入会はムリとしても
昭和三十年前後に生まれた高齢者ビギナーを
どこからかスカウトしてくる?
せめて地味なモノトーンファッションの現会員が
赤や黄色や桃色の派手な服で例会に参加する?
いったい、わたしは、
何を期待し、何を待っているのだろう
ただ、もやもやしている
ちろっと明るい雰囲気の例会?
いや、ちょっと違う
では、なんだろう――
◇
年を取ると何かを諦めてしまう傾向が強まる
「もうPC・スマホはやめた。
どうせ残り少ない人生だから」
なあんて悲しいことは言わないでほしい
人間は死ぬまで生きている
生きているなら、
せめて初段になりましょう
初段になれたら三段になりましょう
三段になれたら五段になりましょう
諦めたら終わりです
人生を愉しむには
時の流れを無視できません
ステップアップできないまでも
せめて世の中の大きな変化に
なんとか付いていきましょう
流されたらそれこそ終わりです
さあ、これからだ
◇
過去2年、
半期リーグ戦を計4回企画しましたが
参加しなかった人、いつも七十局以上打つ人
惜しくも昇段を逃がした人、少しずつ階段を上がる人
毎度勝ち越しに届かずに足踏みを続ける人――さまざまです
が、勉強している人は、歳を重ねても、右肩上がりです
いずれも元気で、愉しそうです
愉快が一番、憂鬱を吹き飛ばしましょう!
たゆまざる
歩み恐ろし
カタツムリ!
(中高年落ちこぼれ晩学組の指導者・金大鈴氏の著書より)