囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

三思して後に行なう

2020年12月12日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 

文壇本因坊の著書を孫引きとして その6 の巻】

 


毛利元就は用心深い人物で、

ことが起きれば必ず高い所に陣をとり、

敵の様子をよく見てからでないと

戦を始めなかった。

世の人、これを毛利の高陣といった。

それが、子の元春や隆景の頃になると鉄砲が発達し、

高陣に拠って敵の様子を見定めてからという

のんきなことを言っていられなくなってしまう。

戦の必勝法たる高陣はやめになった。

 

誰かが孔子に、三度思いて後に行うといったら

孔子は「もう一度考えたら さらによかろう」

といった。

事をなす時は、幾度も繰り返して考えよ、

万事慎重であれ との教えである。

 

孔子は聖人などではない、善き人だ、

といったのは花田清輝と記憶している。

その孔子様に逆らうつもりはないが、

慎重にもほどがあるし、必ずしもうまくいくとは限らない。

直感でやったことが良い結果を生むこともままある。

 

 

 

もうり・もとなり(1497~1571年) 毛利氏第12代当主。用意周到で合理的策略、大胆な駆け引きを駆使する策略家として知られた。小規模な国人領主から、一代で中国地方一帯を領有する戦国大名の雄になった。

 

 

         

 

 


先般、高段者同士の対局を観戦していたら

もう勝ちが動かないとみられていた優勢の五段が

突然に「私が負けました」という。

長考癖の六段は、あっけにとられている。

優勢なのに敗北を認めた五段さんがいうには

「(このままでは)バスの時間に間に合わなくなります」

 

アマの長考は、迷っているだけのことが多い。

迷える六段さん、一手一手をいい加減に決断しましょう。

少しは空気を読まないと、お誘いが来なくなりますよ。

 

 



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