【ロケ地になった洛西の寺社
~ 京都にみいだした江戸の情景 の巻】
◆大原野神社(京都市西京区大原野南春日町1152、境内参拝自由)
大岡越前、水戸黄門、鬼平犯科帳、暴れん坊将軍、遠山の金さん、仕掛人・藤枝梅安、立花登青春手控えなど(他にも名作多数)
宅地開発が進んでいるとはいえ
奥深く竹林をところどころに残し
山麓の素朴な風情は変わらない
長岡京遷都(784年)のおり
桓武天皇の后、藤原乙牟漏(おとむろ)が
藤原氏の氏神である奈良・春日社の神霊を歓請した
これをはじまりとして藤原冬嗣が嘉祥3(850)年
当地に社殿を造営し都の守護神としたのである
藤原一族の興隆により朝野からあつい信仰を受け
そして長い時を経て藤原氏退歩とともに社運が傾いた
応仁の乱による荒廃から復位したのは
江戸時代を過ぎて明治維新後である
宮内庁から官幣中社を排するのだが
戦後にこの制度は廃止された
地図を手に探すが
なかなかたどりつかない
田舎道をさまようなかで
鳥居が突然に出現する
黒雲がむくむく空を覆い
ぱらぱらと生ぬるい雨粒が落ちてきた
春雨じゃ濡れて行こう 新国劇「月形半平太 (つきがたはんぺいた) 」で、主人公が傘を差し掛ける舞妓に言う有名なせりふ。小雨の中を傘なしで歩く時、きどった言葉として使うのが流行した