囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

「勝とう」と思うなかれ

2020年11月19日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 

上達の極意 モノゴトは両面から観察せよ 

 ~ 徒然草(吉田兼好)第百十段 の巻】

 

第百十段


双六の上手といひし人に、

その手立を問ひ侍りしかば、

「勝たんと打つべからず。

負けじと打つべきなり。

いづれの手か疾く負けぬべきと案じて、

その手を使はずして、

一目ひとめなりともおそく負くべき手につくべし」

と言ふ。

道を知れる教へ、身を治め、国を保たん道も、またしかなり。


 双六(すごろく)の名人と呼ばれている人に、

 その必勝法を聞いてみたところ、

 「勝ちたい と思って打ってはいけない。

 負けてはならぬ と思って打つのだ。

 どんな打ち方をしたら、

 たちまち負けてしまうかを予測し、

 その手は打たずに、

 たとえ一マスでも負けるのが遅くなるような手を使うのがよい」

 と答えた。

 その道を極めた人の言うことであって、

 研究者や政治家の生業にも通じる。

 

 

 

すごろく(双六) サイコロを振って、盤に並べた駒石を出た目の数だけ進め、相手陣に早く入った方を勝ちとするボードゲーム。インド発祥で、中国を経て奈良時代以前に日本に伝わり、賭けが行われた。二人で対戦する「盤双六」と、複数人が競争して上がりを目指す「絵双六」の2種類があるが、盤双六は幕末期に廃れ、現在は双六と言えば絵双六を指す。

 

 


        ◇

 


♪ 勝つと思うな 思えば負けよ  
   
負けてもともと この胸の奥に

生きてる 柔の夢が

一生一度を 一生一度を 待っている 

(歌:美空ひばり  詞:関沢新一  曲:古賀政男)

 


このところの負け碁は、

序盤がうまくいきすぎて

「この碁は もらった」と思ったら

あらら、最後は負けていることが多い。

 

逆に、最初にしくじって劣勢になっても

我慢を重ねているうちに、

相手の一瞬の隙が見えて

そこで逆転することもあるにはある。

 

なんとも不思議であるな。

どうにもとまらない、

やめられない。

 



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