【勝敗と関係なくとも、
こればかりは
ちょっと恥ずかしい の巻】
昭和最強の坂田栄男九段の
エッセイ「芸談 碁の作法」から
つまみ食いで引用する――
専門棋士の対局では
名人・本因坊など
タイトル保持者が
上座につくことになっている。
また、段差のある場合は
上位者が同段の場合は
先輩が上座につくように
あらかじめ座席が決まっているのが
普通である。
そして手番を決める必要のあるときは
上座の棋士が握ることになっている。
アマチュアの対局では
そうやかましく言うこともないだろうが
石を握るのは、
ことに棋力の差がはっきりしている場合
例えば置碁で二、三子を決める場合などは
上手が握るほうがよいだろう。
地域の同好会で
「そう固いことをいうな。
しょせん〝公民館碁〟なんだから」
と言うヒトがいるが
わたしはそうは思わない。
プロだからとか
大会だからとか
素人交流会だからとか
そういうことではなくて
碁は、どこで打っても碁
なのである。
勝手にローカルルールを
自分のなかで決めていても
相手はそう思わないこともある。
自分勝手な決め付けは
相手に失礼である。
おおげさにいえば
碁の神様を冒涜している。
こういう身勝手な御仁に限って
「待った・打ち直し」を平気でしたり
敗勢時にいきなり石を崩したり
相手に難癖をつけたり
行儀が悪いとしたものである。