【 「オーケイ」を世間に広げた民主党大統領の話
~ 立つ鳥跡を濁さず、となさいませ
~ 人間 死ぬまで分からないもの の巻】
1913(大正2)年3月、米大統領になったウィルソンは、
処理済みの書類には認可の印として、
署名の近くにO・Kと書く習慣があった。
オール・コレクトつまり「万事異議なし」の略。
たちまち全米に広がり、海を超えて日本にわたった。
1700~5000万人が死んだスペイン風邪大流行の数年前のこと。
日本語で「ガッテンだ」「万事承知」「完了」「検査済み」となる。
ちなみに反対語はN・G(ノー・グッド)で不認可、
中間をなすのがB・О(バッド・アザー)で不具合、である。
いずれもウィルソン大統領が、書類に書き添えたのがはじまりだ。
合衆国大統領は初代ジョージ・ワシントンから
現在のドナルド・ジョン・トランプまで計44人。
後世、名前をよく知らなくても、
誰がO・Kで、誰がN・Gか、
歴史には必ず、なんらか その名が残る、
としたものある。
おあとがよろしいようで――。
トーマス・ウッドロウ・ウィルソン(1856~1924年) 第28代アメリカ合衆国大統領。民主党所属。進歩主義運動の指導者で、プリンストン大学長、ニュージャージー州知事を務めた。「行政学の父」と呼ばれる。新世界秩序を掲げてパリ講和会議を主宰、国際連盟の創設に尽力。その功績でノーベル平和賞に輝いた。しかし博物学をもとにした白人優性論者で、後年は人種差別主義者として指弾された。