囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

【速報】剛腕・山下サプライズ

2021年09月12日 | 【カベ突破道場】 即効編

 

▲山下クンの対局姿勢の良さは棋界随一

2日制の番碁でも正座を崩さず微動だにしない

これだからこそ平成四天王筆頭の名にふさわしい

強ければ何をしてもよい、という甘えの時代に、を入れている

 

 

 

【白番でも奇手、3手目に「天元」が飛び出す

 ~ 魅せるオトコは一味違う の巻】

 

平成四天王の一角、山下九段が

またまた、やってくれました。

白番3手目で「天元」というびっくりぽん。

同じく四天王の高尾九段いわく

「(この一手は)初めて見ました」。

 

激戦の末、なあんと

白番で盤面ジゴ、6目半勝ち

とは、恐れ入りました。

 

勝ち負けはともかく、

自分を楽しませつつ

ファンサービスも狙う

という「欲張りの王様」。

もうさすが、としか

言いようがありません。

 

 

   *   *   *

 

 

チンプンカンプンの方は

以下をご覧ください

級位、初二段の皆さん向けに

布石の基本構造を引用解説します

「碁盤を地球と見立てる」

を前提にイメージするのです

わたしが研究碁会で説明するとき

この考え方を参考にしています

ぜひ、ご賞味あれ

 

 

「五線以上は空から宇宙」

 

さて、碁盤を大ざっぱに分けますと、

隅と辺と中の三つに分けることができます。

 

この中の部分は

五線以上の所を言う訳です。

 

一線・二線を地下、

そして三線・四線を大地とするならば、

五線以上は空と言えるでしょう。

 

もともと天元は宇宙の中心とか、

太陽を模したなどとも言われていますから、

空から宇宙などと言ってよろしいでしょう。

 

もっとも五線のあたりは高い山ぐらいの感じで、

場合によっては地を作ることに参加しています。

 

(中略)

 

空中が高価な土地に変わるというのは、

やはり高い技術力があるからでしょうね。

 

碁でも相手よりかなり強いと、

五線以上の空みたいな所でも

土地になってしまうのですね。

 

そこで言えることは、

強い人と打つと、

どうやっても勝てない

という原則がありそうです。

 

そういう時は

気軽に負けることも

大切な考え方です。

 

(日本棋院の囲碁読本➃ 右脳で囲碁! 著者・小山鎮男)

 

         ◇

 

▼安井算哲は、のちに渋川春海と称した天文学者

天元を宇宙の中心になぞらえ、盤上の要点に違いないと考えた

史上最強・道策に何回か試みたが、通用せず

実力の差は、どうしようもなく、初手・天元を打たなくなった

この譜、黒33以下は略だが、白の9目勝ちだった

 

▼中国からやってきた天才少年・呉清源は

若手筆頭・木谷実に対し、初手・天元から

白のマネをするという、いわゆる「太閤碁」を試みた

木谷も頭を痛め、何度も席を立ち、関係者に苦情を訴えた

だが、ルールで禁止されておらず、どうすることもできない

黒65から、マネ碁は解消され、しかし結果は白の4目勝ちだった

 

北の大地の中心となる
旭川出身の山下だけに
冬の星座・オリオン座を
イメージしたのだろうか

タスキ星から天元に石が並ぶ
<白番のナナメ3連打>は
浅学のわたしも初めて見た

黒番なら歴史的著名局で
ときおりみられた趣向だが
いずれも白番に押し切られ
苦い結果に終わっている

 

 



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