「定石、手筋、詰碁、
どれを勉強すれば
手っ取り早く強くなりますか?」
同好会の某3級さんから
尋ねられました
「詰碁です」と返事しました
じゃ、定石や手筋はどうでもよいか
といえば、そうではありません
が、詰碁は「基礎体力」であり
何をするにも、これがなくては
棋力が伸びてゆきません
これは、
自分自身に日ごろ言い聞かせていることです
◇
二十歳の新鋭・藤井浩貴初段(現二段)が
齢六十六の大御所・趙治勲名誉名人に
あと一歩まで迫った好局を取り上げます
2021年9月9日、第61期十段戦予選C
先番6目半コミダシ、持ち時間各3時間
▲若武者は黒13ときました
普通はAに手堅く守るぐらいですが
大きく振りかぶって白14に入らせ
名誉名人に堂々の勝負を挑みました
▲黒がやや優勢の局面でしたが
黒55と痛恨の敗着が出てしまいました
あわてて打つようなところでもなく
しかも白60がAのキリを防いでいます
232手完、白一目半勝ち
この碁は、
未完の大器がみせた独創を感じさせる好局
常識や定石にとらわれることなく
こう打ちたいから、こう打つ
という意気込みを感じさせます
碁も人生も、二度と同じ局面が現れない
こう思うと、やりたいようにやってみたいものですね