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令和断末魔(3)令和最初の参院選挙

2019-07-13 11:23:15 | 令和断末魔
2013(平成25)年7月の参院選で自民党・公明党の圧勝によって、与野党の衆参「ねじれ」が解消して、国会の採決強行をはじめ、安倍政権の疑惑隠しが続いて6年。
令和元(2019)年のこの参院選のキーワードに「ねじれ」とした。今回、改憲勢力の三分の二阻止に留まらず、「ねじれ」を!?少なくとも、次の衆院・参院選挙での「ねじれ」の流れを予測させることが、政権、国会の暴走を牽制できることになる。
次の(1)を参考に、(2)をコピペして、平成の「ねじれ」国会を見てみました。
(1)衆議院法制局七十年の歩み[衆議院法制局編2018.12出版] 152頁 注記98
(2)ウィキペディア「ねじれ国会」
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平成に入ってから「ねじれ国会」は、五回生じている。
①一回目は平成元年(1989)年七月第15回参院選で、自由民主党が惨敗して参議院過半数を失った。その後、宇野宗佑首相辞任後の首班指名選挙で衆議院は自民党の海部俊樹、参議院は日本社会党の土井たか子と、衆参異なる指名になった。首相指名に関する両院協議会が39年ぶりに開かれたものの成案を得るに至らなかったため、衆議院議決優越により海部が首相になった。参院選で「一人勝ち」となった社会党への反発は民社・公明の間でも強く、ねじれ国会の下でも、自民党はいわゆる自公民路線という形でそれなりに円滑な国会運営を行うことができた。1990年衆院選で自民党が圧勝したこともあり、参議院も含めた国会運営が与党ペースで進んだということもある。
②二回目は平成十(1998)年七月第18回参院選、自民党が惨敗して参議院過半数を失った。その後、橋本龍太郎首相辞任後の首相指名選挙で衆議院は自民党の小渕恵三、参議院は民主党の菅直人と、衆参異なる指名になった。両院協議会で一致しなかったため、衆議院議決優越により小渕が首相になった。
その後、自民党は自由党(自自連立、1999年1月)や公明党(自自公連立、1999年10月)との連立を図ることで参議院過半数を確保し、ねじれを解消した。
③三回目は平成十九(2007)年七月第21回参院選で、自民党が惨敗して参議院過半数を失い、民主党が参議院第1党になった。その後、参議院議長に江田五月、参議院議運委員長に西岡武夫が選出され、参議院の議事の主導権は野党が握るようになった。その後、安倍晋三首相辞職後の首班指名選挙で衆議院は自民党の福田康夫、参議院は民主党の小沢一郎と、衆参異なる指名になった。両院協議会で一致しなかったため、衆議院議決優越により福田が首相になった。
福田は、衆参ねじれへの対策として民主党との大連立を打診、民主党の小沢一郎代表との間で一度合意するも、民主党内の猛反発により実現せず、却って与野党の対立姿勢を強める結果となった。結局ねじれによる国政運営の困難を理由に、福田は2008年9月に首相を辞任。直後の2009年衆院選によって参議院多数派勢力である民主党を中心とした連合が衆議院で過半数の議席を獲得し、政権与党となったことで、ねじれは解消された。
④四回目が、平成二十二(2010)年七月、第22回参院選で民主党が敗北し、連立与党の国民新党を加えても参議院での過半数を確保できなかった。ここで生じたねじれは、2007年のそれとは異なり、現状の連立与党では衆議院での再可決が不可能であり、円滑な国会運営のためには、連立の組み替えも含めた野党との連携が必須となっている。しかし、1989年や1998年とも異なり、選挙で野党と全面対決して敗北した菅直人首相が続投したままであり、首相交代による仕切り直しを経ていないため、対決姿勢を崩していない野党との連携も困難を極めた。2011年3月11日、東日本大震災・福島原発事故発生。菅直人は首相を退陣し、2011年9月2日に誕生した野田政権はねじれ国会下の政界を「決められない政治」とし、「決められる政治」への脱却を目指した。2012年には自民党・公明党との三党合意により、社会保障と税の一体改革関連法案(消費税増税法案)を可決成立した。なお、この際に「近いうちに衆議院解散」の言質を取られ、2012年11月に衆議院を解散した。
⑤五回目は平成二十四(2012)十二月の衆院総選挙の結果、自民党が圧勝して自公連立で衆議院の三分の二を占めたのであったが、参議院では過半数を占めていなかったことによるものである。
この「ねじれ」状態は、翌平成二十五(2013)年七月の参院選による自民党・公明党の圧勝によって解消されることになった。以後の衆院選(2014年・2017年)・参院選(2016年)でも安倍自民党の圧勝は続き、その後、ねじれの状態にはなっていない。
しかもこの「安倍1強」と呼ばれる状況下にあって、2017年の衆院選をきっかけに野党第一党の民主党改め民進党が分裂し、衆院では立憲民主党が第一党の座を獲得したのに対して、参院では民進党(のち旧希望の党を吸収合併して国民民主党に改称)会派といった経過の後、野党の「ねじれ」状態は解消しての令和最初の参院選に政権交代への「ねじれ」を大いに期待したい。