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忘憂之物

5人の元首相声明「不適切」と岸田氏=福島原発事故で甲状腺がん






声明文を全部読もうとして「原自連公式サイト」をみる。字面が自公連立みたいだなぁ、という感想はともかく、そこの事務局長には木村結という名前があった。この人は東電株主代表訴訟事務局長も務めていて、まあ、筋金入りの反原発論者である。「すべての原発を廃炉に」するために日々、活動されている。ツイッターのプロフィールはこうだ。

「お茶、映画、絵画、工藝、旅行、人生愉しみたいことがたくさんあるのに、原発が立ち塞がる。脱原発・東電株主運動、東電株主代表訴訟、原自連で事務局長など。男女平等実現 」

もちろん、石原慎太郎氏の訃報が届いた1日には、メディアが「石原節」などと称賛している、と憤り「許せないので、石原慎太郎暴言録を7つ連続ツィートしました 」とのことだった。ジェンダーフリーにも造詣が深く「お母さん」とか「おばあちゃん」もダメだという。都度、反発しなければいけません、と厳しく指摘する。その他も見てみたが、私にはとてもレベルが高すぎてついていけなかった。臭いがきつくてリアルに頭痛もした。参りました。

その「ルーピーファイブ」による声明文。問題とされている箇所は「福島で多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる 」という部分だ。これに福島県知事も怒っている。「甲状腺がんと放射線被ばくの関連は認められない」というのが県による検討委員会の見解だとして「科学的知見に基づく情報発信」をするように申し入れたとのことだ。合わせて環境大臣も書面で抗議、岸田総理も国会で「不適切」と答弁もしている。たしかに風評被害もあるだろうし、なにより福島県民が不安だろうと思う。

「ルーピーファイブ」のメンバーのひとり、鳩山由紀夫はこれらの反論に「統計学を学ぶべきだ」とか言い返している。総理時代「学べば学ぶほど」沖縄の地政学的重要さが分かった、とか言って日本国民の度肝を抜いたアレな御仁だが、福島県の検討委員会の専門医などに対して「オレの背中から学べ」と言いたいのだろうか。お前らも統計学を学べば学ぶほどに学べ、と口を尖らせている。

ちなみに「ルーピーファイブ」とは、先ほどから私が勝手に呼んでいるだけだ。色は小泉が「シルバー」以外、あとは各自、勝手につけてくれて構わない。「アカ」はダメだ。誰がどれかわからないからだが、ともかく「原発ゼロ・自然エネルギー100」と言いたいがために、元総理の5名はいろんな理屈も言っている。もちろん様々、議論はあって然るべきだし、何をどう発言しようとも自由だし、この5人は事実、かなりしてきたから日本はずいぶんと困った。しかし、いくらアレだからと言って無理筋の出鱈目は感心しない。

よく聞く屁理屈はやはり「チェルノブイリ」だ。声明文にも出てくる。

昨年の2月もまた、医学界新聞などにも「福島・チェルノブイリ原発事故後の避難者の被ばく量(甲状腺等価量)」などが記載されているし、他の詳細な数値なども調べればすぐにわかることになっているが、あっさり書くと、平均の被ばく量はチェルノブイリの100分の1、チェルノブイリで甲状腺癌の発生リスクの上昇が確認できた被ばく量は「150~200ミリシーベルト」。福島の場合は19歳以下の中央値が「4.2ミリシーベルト」だから桁が2つ違う。

また、チェルノブイリで甲状腺がんが増え始めるのは「5年後以降」だ。なんでそれよりずっと低い福島の放射線被ばくで、3月11日直後から上昇するのか、いくらアレだったとはいえ、元総理が雁首揃えて、誰も変に思わないのか。

福島では甲状腺がんが他地域と比して数十倍ほど増加傾向にある、とか言われたら不安にならない人はいない。しかし、他地域では行っていないスクリーニング検査のことは言わない。原発は3月14日、15日にも爆発した。検査が始まったのは当月の24日である。それで県民1080名を「甲状腺被ばく調査」したら初回でみつかったのは「100例以上」だ。この凄まじいまでの即効性。さて、これは放射線被ばくによるものかどうか。

当然、真面な医者や専門家は、いわゆる「ラテントがん」を言った。加齢に伴ってがん細胞も増えるが(50歳以上の日本人では20%~30%)、これらは臨床ガンにならずに経過、死後部検にて初めてみつかる癌のことだ。私は喰わないが「がんもどき」と呼ばれるものだ。

つまり、検査しなければ死ぬまで気づかない可能性の高い「甲状腺がん」を子供から見つけて反原発の足しにする。「がんです」と告げられた子供、その親は人生に絶望して東電でも国でもなんでも恨むことだろう。不必要な治療もあろうし、実生活にも尋常ではない不具合が生じる。進学に就職、交際や結婚など人生にも大きく影響するだろう。だから真面な医者は「過剰診断」を戒める。患者にとってメリットがないどころか、膨大で深刻なデメリットしかないからだ。

つまり「反原発」というイデオロギーのためなら、福島の子供らの将来などどうでもいいわけだ。事故後、福島県に行ったという設定の漫画の主人公が鼻血を出すというのもあった。悪質な印象操作だ。漫画や映画、ドラマで風評被害を作り上げる。およそ、真人間のやることではない。


都合の良い事実だけを織り交ぜながら、悪意ある膨大な量の嘘で加工して、意図的な演出を施してから世に出し混乱を引き起こす。いつもの手口はよく似ているから、これを知った人は「特有の臭い」がわかるようになる。今の日本社会にも何気なく、そこかしこに「臭い」がある。だから警戒する。

例えば「ノンフィクション」を思わせる題材に対して、取材、制作をしながら、情報提供者が納得しないと「フィクション」として開き直って世に出し、それを赤い仲間連中が「ノンフィクションを思わせながら絶賛して広める」ようなことがあれば、その特有の臭いは止めどなく漂っているから臭くて仕方がない。

もう、そろそろ2年も過ぎて、ますます検査対象者を増やし、相も変わらずなにもないのに騒いで脅す、という手法も臭くて耐えられないことはないか。どこかの県知事は「打って打って打ちまくるしかない」とか、パチンコ屋のマイクじゃあるまいし、死んだ福笑いみたいな景気の悪い人相で言っていたが、あれも相当に臭いはずだ。

みんな、マスクしているからわからないのか。それともテレビウイルスで「嗅覚」がやられているのかもしれない。無自覚、無症状がテレビウイルスの怖いところだ。しっかりと自粛、隔離してテレビを消し、いまなら石原慎太郎氏の著作などを読んで検査したほうがいい。

それでも「日本なんか」と思うなら感染だ。「お母さんと呼ぶのも呼ばれるのも耐えられない」と感じるなら入院の必要があるかもしれない。我慢できずにテレビをつけて、昼のワイドショーで「北京五輪特集」を観て「行きたい」とか思ってしまうなら重傷者だ。もちろん、つける薬はない。


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