二の岳(685m)
(別名: 熊の岳)
令和2年1月2日 快晴
大晦日から明けて4日帰着(4泊5日)の日程で、正月は熊本市内に滞在
(子供のマンション)することとなった。
せめて一日くらいは近場の山に登って元旦の日の出を拝もうと
想いをめぐらした。
ところが、女房いわく「元日は料理を食べなんけん~ 別の日にして・・」
ということになり2日に過去に一度登った(←2010.3月の山行歴)
金峰三山の「二の岳」と「三の岳」を縦走することとした。
ところが~ところが、幸さん(娘婿)も一緒に登りたいということとなり、
楽しさ倍増の2020五輪イヤ-初登りとなる。
幸さんの目的は「頂上で沸きたてのコ-ヒ-を味わいたい・・」
ということで小型のガスコンロをリックに入れての山歩きとなった。
*金峰三山とは・・・
一の岳(金峰山) 二の岳(熊の岳)、三の岳を総称して金峰三山と言う。
(アプロ-チ) 熊本市内から本妙寺下の県道1号線を走り、
金峰山「鳥越の峠の茶屋」を通過して峠の下り坂に差し掛かると
すぐに1号線から右上に分岐する県道101号に入り山路を走行する。
*峠の茶屋~野出登山口(←Google マップ)
(行程) 野出の登山口(発9:25)→林道出合(着10:00)→
二の岳頂上(着10:20~発11:20)→野出の登山口(着12:00)
(下山後、小天温泉「草枕温泉てんすい」に浸かる)
↑【道を間違えた三叉路: 矢印(市道)が正解】
これまで走ってきた県道101号と332号そして市道が交差する三叉路・・・
停車して標識を確認するが
「三の岳聖徳寺」と表示された案内板が正面の332号線方向に
示され、二の岳への案内板は無い。
判断に迷ったが332号線に入り、5分位走行するが
以前来た時の風景と違うので、引き返して、三叉路左方向の市道に入る。
↑【野出(のいで)の登山口】
市道に入って10分弱で野出公民館裏の登山者用駐車所
(小さな案内板あり)に着く。
ガソリンスタンド横の上り坂が取り付きとなる。
↑【登り始めの登路】
照葉樹林が密生する快適な登路は九州自然歩道
(←九州自然歩道サイトマップをキャプチャ)が走り、
九州自然歩道で良く見かける、特長的な丸太の階段が続く・・・
*九州自然歩道ポ-タル>サイトマップ(←九州地方環境事務所)
↑【林道を横断して展望のない樹林帯を登る】
↑【胸突八丁の坂】
岩ゴロの急坂を登り上げるとフラットな登路から鞍部を経て
最後の丸太の階段を踏めば頂上に出る。
↑【二の岳(685m)頂上にて】
頂上には観音さまの祠が祀られ一等三角点がある。
金峰山(一の岳)より20m高い。(ちなみに金峰山は三等三角点)
↑【頂上でコ-ヒ-を楽しむ幸さん】
幸さんの今日の登山目的は「頂上で沸かしたてのコ-ヒ-を味わいたい」
という事であったので、
風もない麗らかな冬日和の中で十分満足されたであろう・・・
↑【二の岳(685m)から三の岳(681m)を望む】
山容の風格が素晴らしい・・・
私の郷土の山「二城山」(←2019.2月の山行歴)からもこの山姿は望まれる。
【頂上からの展望】
眼下に有明海が広がり、その先に雲仙岳が微かに見える・・
↑【河内町の中心地付近】
オレンジ色の建物は聖ケ塔病院であろう?・・・
↑【長洲方面(海岸沿い)の風景】
手前の川は菊池川の河口であろうか?
海岸に張り出たゾーンは、日立造船有明工場であろうか?
↑【二の岳頂上広場の全景】
↑【下山路にて】
急傾斜地に植林された美しい檜林
↑【小天温泉「草枕温泉てんすい」】
一風呂浴びて今夜の美酒に備える・・・
↑【温泉センタ-からの展望】
↑【温泉センタ-から二の岳の山姿を振り返る】
(登山を終えて)
1)今日は正月2日なので登山者は少ないかと思っていたら
意外と沢山の人(13名)と出会った。
①頂上では、最初は誰もいなかったが後着で家族(4名)が訪れ、観音様を
皆で清掃されて下山された。+ 単独で縦走中の男二人
②下山路では、1組の家族(3人) + 犬を連れた単独の二人+ 石神山から
金峰山を辿り、歩いた軌跡をスマホナビゲーションで見せて説明した若者
③下山した駐車場では、トレイルラン姿の二人組(若い娘)は今から初走りとの事
2)頂上までの登路は照葉樹林帯の中に付けられた九州自然歩道を
歩くのであるが頂上まで展望は無い。
頂上に上がれば、眼下に有明海が広がり、河内~横島~長洲の南北に走る
海岸線沿の風景が立派に見える。
正面には、雲仙岳が海原に浮かぶかのような風景が微かに(天気の加減で)展望出来た。
この頂上から、雲仙岳の彼方に沈む夕陽を眺めたら、素晴らしい光景が見られる
であろうとつくづく思う次第であった。(一度は見たいものである・・・)
また、この山は、人々が身近に親しむ里山としての情緒を感じる山でもあった。
ちなみに、登山口にあるこの山付の集落は昔から「野出百軒」
という呼び名があったとのことである。
(峠の茶屋雑感)
夏目漱石の小説「草枕」に出でくる峠の茶屋は、
金峰山入り口に在る、峠の茶屋(鳥越の峠の茶屋)の事と
私は今迄思っていたが、
今回、二の岳登山口の集落に「野出の峠の茶屋」がもう一つ在った事を知り、
登山から帰宅後、ネツト情報で調べるに至った。
小説のくだりで「峠の茶屋での御婆さんとの問答」の文脈は、
「おい」と声を掛けたが返事がない。
(中略)
しばらくすると、奥の方から足音がして、煤けた障子がさらりと開あく。
なかから一人の婆さんが出る。
「御婆さん、丈夫そうだね」と訊たずねた。
「はい。ありがたい事に達者で――針も持ちます、苧もうみます、御団子の粉も磨きます」
この御婆さんに石臼を挽かして見たくなった。しかしそんな注文も出来ぬから、
「ここから那古井までは一里足らずだったね」と別な事を聞いて見る。
「はい、二十八丁と申します。旦那は湯治に御越しで……」
この文脈から理解されることは
那古井までの距離が峠から(28丁×109m=) 3052mと記述されているので、
この距離は野出峠からの距離に当たる。
従って、
小説の峠の茶屋は「野出の峠の茶屋」での出来事が
描写された事となるのではないのかと思う次第であった。
【参考にしたHP】
・インターネットの電子図書館、青空文庫へようこそ >夏目漱石 草枕 (←青空文庫HP)
・金峰連山二ノ岳、草枕の道 (←KenてくてくHP)
・熊本文学散歩>草枕の旅(夏目漱石) (←熊本国府高等学校パソコン同好会HP)
(2020.1.14日 追録)
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