根子岳山窓

(阿蘇住人の山行記です。)

草の道・立山坂 2月28日(月)

2022年02月28日 22時34分28秒 | 阿蘇山系

草の道・立山坂 (たちやまざか) 
(その昔、手野集落の人々が牛馬を引いて往還した、外輪山牧野への坂道)

令和4年2月28日 快晴

市役所の広報誌(2021.9月号)で古城地区手野にある
「たるたんの滝」が紹介されていたので、
我が家の前を毎日ウォーキングされる顔なじみの方に(昔の古城村出身)
尋ねると立山坂の途中に在るとの事であった。
詳しく聞けば、立山坂はまさに、
いにしえの草の道であることが分かった。
立山坂の隣の集落からは平井坂という草の道が走り、そのまた東には
土井坂が在ることも教えて頂いた。

頻繁に発生(阿蘇26日16件)しているコロナ禍の中であるので、
今回は山友の石ちゃんは誘わず単独で立山坂を踏査することとした。

(行程) 手野集落(発10:55)→垂谷の滝(着11:20~11:25発)→Y字路分岐
    (着11:50~道探しに迷う~発12:00)→山の神(着12:20~発12:25)→
    やまなみハイウェイ・小柏演習林入口(着12:30)
              往路に戻り、脇道分岐(着12:35~道探しに迷う~発13:30)→
              山の神(着13:35)→垂谷の滝(着14:15)→手野集落駐車地(着14:45)     
    

【「たるたんの滝」案内板標柱】
Google マップよりキャプチャ

【西手野集落の急な坂道からスタート】
集落入口の農家に立ち寄り、駐車地を訪ねると
庭先で沢山の里芋を水洗いしておられた御婆様(93才)
「この庭でよれればどうぞ・・・」
心温まる言葉に感謝して駐車。

山裾の傾斜地に立ち並ぶ集落には
山水が各戸の軒先に引かれ、水音が快い・・・

【柔くて美味しそうな阿蘇高菜】
 石垣の段々畑には、広々とした美しい高菜畑の景観

【コンクリト道の山道】
集落から続くコンクリト道は、遊歩道のように整備されている。

【登路沿いに鎮座される馬頭観音
宝冠には馬の顔

【道標「たるたんの滝350m」】

【急勾配の道が続く】

【急坂を登り詰めると「お堂」が見える】

【滝の手前横に座す不動明王像】

【垂谷(たるたん)の滝】

【独特な岩肌を呈する垂谷の滝】

【本格的な山道に入る】
滝沿いに建つ「お堂」を左に巻いて裏側に回ると
安定した道に上がる。

【安定した道幅が谷間に延びている】

【谷間の道は、右下の涸れ沢を遡上する方向に延びる】

【石畳みの登路を振り返る】
谷間の道と涸れ沢が合わさつた場所となるが
地面には石畳跡が露出(流路に洗われて露出したのであろうか?)

【谷間から抜け尾根への分岐坂・どちらに進むか迷う】
三叉路にも視えるが、右下側にはこれまで歩いて来た谷間の
涸れ沢に下る踏み跡がある。
正面のY字路はコンクリト道で草の道としては相応しくない判断し
涸れ沢側に下る事を決断。

【涸れ沢の遡上は、この砂防ダムに遮られ引き戻る】
前の画像のY字路の左を選定して山復に延びる
コンクリトの作業道を道なりに歩く。

【山の神】
コンクリト道から外輪山上端に上がる草原の道沿いに鎮座する。

【「奉寄進大山」と刻まれている】
「奉寄進・きしんたてまつる」は分かるが「大山」は
何を意味するのか ?

【「文化4 丁年」文字が視えるが】
文化4年であれば、今から215年前の西暦1807年
明治元年から遡ると、約60年前となるが・・・

【山の神を過ぎて草原道から根子岳を振り返る】

【立山坂の終点地】
山の神から約5分で「やまなみハイウェイ」に至る。

【立山坂牧野入口と柏演習林入口が対面している】
Google マップよりキャプチャ

【「熊本県立阿蘇中央高等学校小柏演習林入口」の標柱】
昔の熊本県立阿蘇農業高等学校・小柏(おがしわ)演習林
林科の生徒が通った、思い出の地であろう・・・

【小柏演習林入口から九重連山を展望する】

ここから復路にて 

【やまなみハイウェイから離れて30m位の地点】
画面に走るこの道は、
①砂防ダム工事用の作業道と思われる節(ふし)があったので
かっての草の道を忠実に辿ろう思い、画面の右に進む。
②尾根上に延びる、幅のある道を下降して行くが、行先の果
ては尾根突端の切れ落ちた崖となり、
谷底には砂防ダムが視える。敢え無く引き返す。
③戻り道でも草の道らしき道筋を四方八歩探しながら歩く
が、突然と最初の入り口に戻っていた始末。
この間、一時間を道迷いに費やした。

【駐車した農家】
心温かい親切なおば様は、朝洗っいられた里芋を
家の中で整理されておられた。
「お茶を飲んでいきなっせ・・・」
と何度も勧められる。(感謝・感謝)

おば様(93才)のお話し
・「朝早く立山坂を登り、牧草を積んで帰った。 」
・「横断道路ができるまでは、この坂道が一番の近道
で産山村の学生はこの坂を歩いて通学」
・「阿蘇農学校小柏演習林に行き交う生徒で賑わっていた」

【地理院地図で登路のイメージを示す】

登路の概要 

集落からの山道には遊歩道(コンクリト)が整備され
30分位の急登を辿れば「垂谷(たるたん)の滝」に着く

滝を過ぎれば谷間を歩くこととなるが、
草の道と思われる道が沢沿いに延びる。
石畳みも遺り、古(いにしえ)の景観を醸し出している。

谷間を上がり、山復に至るとコンクリトの作業道が
外輪山山頂部まで続く。

どこの道のりが草の道であったのであろうか判別が
つかないままに
到達点の「やまなみハイウェイ」に着く。

(2022.03.12日 加筆)

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