東外輪山・願成就坂(がんじょうじゅさか)
(その昔、坂梨集落の人々が牛馬を引いて往還した、外輪山上草原への坂道)
令和2年4月10日 晴
遅い阿蘇の春、阿蘇神社門前町の桜並木も満開の盛りは、
多分過ぎたであろう・・・。
コロナ自粛で街中での花見気分は、到底沸いてこない昨今である。
外輪山を眺めると山桜が四方八方の山肌(外輪壁)に淡い桜色が光り、
まさに「山笑う」景色が窺える・・・
その桜色に誘われ、自宅近くの「草の道」を歩き、
今年の花見気分を一人で味合おうと思い立った。
願成就坂は2回目(初回は2011.4.6) の歩きとなるが、
熊本地震(本震2016.4.16)後、初めてである。
坂(登路)は地震被災で相当荒れている事だろうと覚悟して登山口に取り付く。
(行程) 「願成就坂」入口(発10:25)→中腹の台地広場(着10:45~発10:55)→
牧野ゲート(着11:20~牧野の丘陵散策~11:50発)→浄土寺牧公園駐車場(着12:30)
↑ [一の宮町史「草原と人々の営み」より転載]
↑【地理院地図】
↑【浄土寺牧公園に駐車】
登山口まで3分位 (画面の落葉木付近が取り付き点)
↑【願成就坂への取り付き点】(下山時で撮影)
以前来た時(2011年・平23)は登山口案内板
が建っていたのであるが、熊本地震(2016年・平28)
で消失したのであろうか・・・?
入口が少々藪化し竹笹が覆い被り、登路選定に不安感を覚える・・・
↑【登り始めの登路】
入口を過ぎれば直ぐに安定した登路に変わる。
↑【登路沿いの石仏】
↑【石畳みの坂道】
いにしえの雰囲気を感じさせる道となるが、
倒れた竹が道をふさぐ・・・
↑【登路に張り出した大岩=「荷つき岩」】
「朝草切り」をした草を牛に6輪背負わせて願成就坂を下ると
荷がこの岩に付くので「荷つき岩」と呼んでいた。
(一の宮町史「草原と人々の営み・坂つくり」より転載)
↑【登路より山桜を望む】
↑【崩落した巨石が古道を塞ぐ】
熊本地震で左側の岩崖から崩落したものと思われる。
↑【中腹の台地広場・小尾根上から山桜を望む】
中腹の台地広場から右に張り出た小尾根上に座す
地蔵菩薩(男)と観音菩薩(女)を拝もうと小尾根を辿るが
二体の菩薩は跡形もなく消えて無くなっている。
たぶん、熊本地震で崩落したのであろう・・・
↑【中腹台地広場に座す石仏】
刻まれている文字は(判読した文字のみをピックアップ)
享保四 己亥矢
觀世音寺
坂梨村中
↑【外輪山上に登り上げる】
前回来たときは、荒れた草道であったが道幅も拡張整備され、
道路沿いの標柱には「24・25年度災害対策特別緊急事業~」
と記されているので平成24年・2012.7..12日の九州北部豪雨災害関連で
整備されたのであろう・・・
↑【前記の場所から「卯が鼻」を望む】
左眼下には、57号線「滝室坂」が見える。
↑【牧野への入り口】
整備された林道のY字路を右に歩き、牧野ゲートに入る。
↑【牧野ゲ-トからの登路を振り返る】
眼下は阿蘇谷と坂梨集落の一角
↑【根子岳・高岳を望む】
野焼きの後に現われた「牛馬道」の模様が素晴らしい・・・
野焼き直後だけに観られる彩りの景観
↑【丘陵から「波野」方面を望む】
左端には滝室坂の峠道が見える。
↑【満開の・・・浄土寺牧公園の桜】
↑【車窓から願成就坂の登路を振り返る】
(参考資料 :願成就坂に関する記事)
阿蘇ペディア>干し草小積み (←阿蘇ペディアhp)
一部抜粋
「~とくに坂梨の願成就坂を登る日は大変。
宮地駅6時発波野行きの汽車が外輪山の願成就坂トンネルで汽笛を鳴らす時刻には、
既に坂を登り切っておかなければいけなかった」と、
当時の作業の厳しさを語っています。」
(私が過去に歩いた「草の道」)
① 2011.01.14 栗の木坂
② 2011.02.22 三野坂
③ 2011.03.27 古閑坂
④ 2011.04.06 願成就坂
⑤ 2016.03.22 木落坂~片隅坂
⑥ 2016.07.07 古閑坂
⑦ 2016.07.28 阿蘇品坂・磐名木坂
(2020.5.16日 加筆)
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