霧立越(きったちごし)トレッキング
( 五ヶ瀬町・ゴボウ畑登山口~馬つなぎ場 のピストン)
令和2年10月20日 快晴
Ж 紅葉状況速報→今は、色づき始めの頃で最盛は月末頃 一週間先? 位かと思われる。
先週の紅葉散策は錦繍にはなやぐ山肌を
「近くから眺める」観賞であったが、
今回の趣は紅葉樹林帯の「中を歩いて」身も心も秋の山に浸りたい
という願望で選定した山である。
登山口散策路に林立ちする落葉樹の巨木群、
紅葉はチョット早いかも知れないが?
天気上々の秋晴れの予報に誘われ、前夜に石ちゃんを誘って決行。
(アクセス) 往: 阿蘇(7:10)→馬見原→五ヶ瀬町登山口(8:50) (距離64km)
復: 登山口(16:00)→馬見原→阿蘇(17:45)
(行程) ゴボウ畠登山口(発9:05)→杉越(着9:40)→白岩山(着10:10~発10:20)
小屋場古道分岐(着11:10)→見晴の岩(着11:40~発11:50)→馬つなぎ場
(着12:10~昼食~発13:50)→白岩山(着14:50~発15:10)→ゴボウ畠登山口(着15:55)
↑【登山口から峠(杉越)までの遊歩道】
スタ-トから10分、巨木が林立する天然林を振り返る。
予想はしていたが、紅葉はまだ先のようである。
↑【登山口から峠に向かう登路】
紅葉の色づき具合を堪能しながらゆったりと歩く。
↑【杉越の峠(標高1558m)】
登山口(標高1430m)から標高差128m、
距離にして約600mで杉越峠に着く。
ここから先は尾根伝いを踏んで「駄賃付け」の古道を
「馬つなぎ場」までおおよそ4.4kmをトレッキング
(4.4kmの距離は二つの道標(馬つなぎ場と杉越)から算定した)
↑【白岩山頂上】
頂上西南側の足元は深く切れ落ちた断崖がつくられ、その先遠景に
「向霧立」と呼ばれる九州脊梁山地の山塊が連なる。
山頂標識の裏側に立てば阿蘇・九重・祖母・傾が見え・・・
360度の大眺望が広がる。
霧立越・白岩山(1620m)山頂からの展望 (令和2年10月20日)
↑【小屋場(コヤンバ)古道分岐点】
前回、道間違えて小屋場古道方向に進み、悪戦苦闘した
苦い思い出を噛み締めながら通過・・・
↑【見晴しの岩への取付き】
登路沿いに派生する急崖を辿るとすぐに狭い岩場の展望台となり
眼下は断崖絶壁の岩峰となっている。
このル-トで白岩山に次ぐ、抜群の眺望が展開される。
↑【見晴しの岩から望む扇山】
↑[「見晴しの岩」から望む 向霧立越の山地]
(こんな高所の地に民家が在る)
「右手遠くに向霧立山地の山々が見えてきます。
この山の中腹に白い物が見えます。
よく目を凝らして見ると民家であることが分かります。
ここは尾前集落の最上部の高砂土で標高900mほどにあります・・・」
(「霧立越ガイドブック< 12-灰木の頭 」より抜粋)
この民家の地図上の位置が気になり、
上述のガイドブックに従い調べた場所は
→椎葉村大字不土野 尾向区 尾前上 高砂土 (地理院地図)
↑【ポッンと一軒家をアップ撮影】
↑【今日の目的地「馬つなぎ場」】
馬つなぎ場は、別名「池の窪」とも呼ばれています。
大きな窪地があることから人為的に土を突き固めて天水を溜めた
ものかもしれません。
付近をよく観察しますと茅の株が僅かに残っているのが見つかります。
これは草原であったことの証です。
(中略)
水場があり、餌を食べさせる草原があり、
まさに駄賃付けの馬を休ませるための
馬をつなぐ場であったに違いありません。
今でも椎葉村で歌い継がれている
駄賃つけの唄
1.おどま13から駄賃つけなろうたよー ハイハイ
馬のたずなで日を送るよー ハー、シッカリ、シッカリ
2.朝もはよから峠にのぼりよー ハイハイ
お日の出を待つ入りを見るよー ハー、シッカリ、シッカリ
3.駒よ暗いぞ足場はよいかよー ハイハイ
鈴の音(ねおと)についてこいよー ハー、シッカリ、シッカリ
(「霧立越ガイドブック< 14-馬つなぎ場 (池のくぼ)> 」より抜粋)
↑【馬つなぎ場の広場に到着】
↑【馬つなぎ場の道標: 復路で撮影】
↑【馬つなぎ場を振り返る】
↑【馬つなぎ広場を振り返る】
その昔、草原広場で在ったであろうと懐古させるような
雰囲気を醸し出している・・・
私のお気に入りのこの場所は、
晩秋には深い落ち葉のフロムナ-ドとなり
「カサッカサッカサ」と落ち葉踏む音のリズム感が
忘れられない思い出となっている。
【以下、七景は 復路で出合った紅葉景観】
↓
復路で白岩山に再び立ち寄る ↓
往路では、白岩山からの下りは巻き道を辿ったが
帰りは岩場を直登することとした。
その結果、思わぬ花々と出合った。
↑【鳥兜】
↑【岩菊】
白岩山山頂直下の崖斜面を南西側に回り込み、鳥兜の群生地を観賞後、
岩場の急こう配を必至に登り上げ、頂上に至る。
往路では気づかなかった(遠望の風景に優先されて)、
この花、頂上広場に露岩する石灰岩に張り付く様にして
白く咲き誇っている・・・
花の下を覗くと断崖絶壁の岸壁が切れ落ちている。
その淵に凛と咲くこの花の気高さに
圧倒的な感動を覚えた。美しい・・・。
最初はヨメナかノコンギクかと思っていたが余りの美しさが気になり
帰ってから調べた(九州の野の花:西日本新聞社)ら
岩菊であることが判明、
しかもその本の写真には私が見た光景と同じものを目にする事に至った。
↑【九州の野の花(西日本新聞社)より転載】
↑【「霧立越ガイドブック」からスキャン】
【以下の、三景は白岩山からの復路で出合った黄葉】↓
↑【西陽に照る黄葉】
*過去に歩いた霧立越
①2007/11/04 扇山 (松木登山口・阿蘇にのぼる会)
②2008/10/28 向坂山・白岩山 (馬つなぎ場・単独)
③2009/10/18 向坂山・三方山 (白岩登山口・阿蘇にのぼる会)
④2011/05/18 水呑の頭 (石楠花観賞)
⑤2015/11/11扇山 (ゴボウ畠~扇山縦走)
⑥2019/12/10 白岩山 (登路を間違え小屋場古道に立ち入る)
(2020.11.10日 加筆)
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