おもい出し日記

完成見学会終了と5原則

完成見学会が無事終わりました。
台風の影響もほとんどなく…よかったです。

今回の家はgbスタイル仕様!

2階の天井は杉のパネルと構造材の梁がすべてあらわし、1・2階の床は桧材(節つき)蜜ろうワックス塗り仕上げ+高気密高断熱仕様(UA値:0.47)!







「誰もが手の届く自然素材と省エネの家」、伊藤工設計の「らしさ」がよく出ていたと思います。

見学された方は、この家を…受け入れていただいたと感じました。

これに満足することなく、次に向けて進んでいきたいと思っているところです。

次回は10月、見学会を行なう予定になっています。

原点に戻り、5原則と地域住宅をもう一度確認しているところです。



5原則と地域型住宅
「5原則」とは何でしょうか?

これを唱えたのはアントニン・レーモンドです。チェコに生まれ、後にアメリカ国籍を取得した建築家です。F.L.ライトの助手として旧帝国ホテルの建築に携わっていて、約40年を日本で過ごし、各地に名建築を残しました。

レーモンドは日本建築の優れた要素を設計の「5原則」としました。
1.「単純さ」2.「正直さ」3.「直截さ」4.「経済性」5.「自然さ」です。

そして、住宅は外から見られるものではなく、住む人の生活を大切にした、簡素なたたずまいの中にある豊かな空間づくりが日本建築の特徴だと…。

西洋人から見て、そう感じたのでしょう。


私達も今、地域型住宅をつくっています。

時代はずいぶん経ち、変わりましたが…。

日本の気候風土は変わりません。


今の地域型住宅も、この5原則にあてはまります。

「5原則」を自分なりに補足したいと思います。

1.「単純さ」(Simple)とは
構造体、形をシンプルにするということは。かかる力も明確にするということに繋がります。
プランをシンプルにするということは、ここちよさの広がりにつながります。

つくる側の都合で決める単純さとは違います。
出来るだけシンプルにするということは設計上難しい作業になり、そこに真剣に取り組んでいるかということです。
真剣に取り組んだ「単純さ」は力の流れや造形に美をもたらします。

2.「正直さ」(Honest)
気候風土や立地条件に合った家になっているか…。
同じ地域でも風が強い場所、雪が多い地域、いろいろあります。
資料だけの判断・基準レベルではなく、足を運び、周辺環境を体で感じ取り、それが設計に表現されなければならない。

3.「直截さ」(Direct)
「○○風の家」は日本に環境にはなじみません。
まわりくどくなく、シンプルで品があること。
これは日本建築の原点です。

むかしから在ったかのように…。
周辺になじんでいるような家でなければなりません。

4.「経済性」(Economy)
地域材を利用し環境負荷の低減を考え、家づくりを行なわなければなりません。
材料やエネルギーを無駄にしないことは当然です。
ですから家はブランドや高級イメージを持つ必要がありません。

ランニングコストを含め、誰もが手の届く「家」を提供しなくてはいけません。

5.「自然さ」(Nature,Natural)
自然の素材、自然のエネルギーを利用し、それに感謝できること。
近くの木と近くに住む人達が家をつくり、次の世代が活躍できるステージを用意できることが自然のことでなければならないと思っています。

そして、家にいて自然体でいられることは明日の活力を見出します。
それが「自然さ」だと考えます。

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