あきっしーの日常

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割り箸を「比べる」ことで見えたビジネスチャンス

2015-11-12 12:54:26 | 日記
こんにちは、あきっしーにて候う。
由来は秋葉原とふなっしーを略してみました。



・今日の天気
「曇り時々晴れ」です。
今日の最高気温18℃






・今日の見聞
「新浦安」へ行く予定です。
そういえばローソンで”おでん70円均一セール”をやってたような…。





・本日のニュース

情報源は”ダイヤモンド・オンライン”

「割り箸を「比べる」ことで見えたビジネスチャンス」




発想力のあるヒト・ないヒト比較:比べる編


 あなたは比べる発想力のあるヒト、ないヒトどちらのタイプでしょうか?

発想は「発散と収束」からは生まれない


 発想のプロセスは大抵が「発散と収束」です。ブレーンストーミング等でアイデアを出し(思考の発散)、結論に向けてまとめる(収束)、というプロセスを信じて、皆が議論を重ね、合意形成のための議論を重ねます。

 しかしその膨大な時間は、ほとんど徒労に終わります。自分の頭に頼っているだけの「ブレスト的発散」では、不十分だからです。

 そこには発見する力、発見する方法論が必要です。世の中に溢れる情報や自分で経験するさまざまな事象から、面白いアイデアを見つけ出す。その「発見」の力こそが大きな発想につながっていきます。

 もう一つの問題が「収束」を目的としたディスカッションです。

 KJ法でもそうですが、せっかく面白いアイデアがあっても、ヒトはグルーピングという作業の中で、それらのトンガリを落とし、丸めていってしまいます。グルーピングとは共通項を探すことですから、カード3枚を集約すれば、そのグループの名前はそれらの最大公約数にならざるを得ません。

 そうではなく、100のアイデアが出たなら、そこから一番尖ったものをひとつだけ選び、それを深掘り分析して本質を見極め、そこから拡げ組み合わせて新しいアイデアを創り上げることなのです。

 下手にグルーピングなど、しないこと。発見し、選択し、探究し、組み合わせる。それが正しく発想するためのステップです。発散と収束、ではありません。

 そして、そこで「3つの技」を働かせましょう。それが「比べる」「ハカる」「空間で観る」です。

 今回は「比べる」ことでの大発見を紹介します。



比べてビジネスの芽を見つける!~飲食店向け新規事業プロジェクト


 ある企業(A社)で新規事業企画プロジェクトに取り組みました。A社は本業で画期的なビジネス変革を成し遂げた後、その事業コンセプト「世の中の、多くの細かいムダを集約する」をさまざまな市場に展開し、推進することで高成長を続けていました。

 本業では何十万もの法人顧客から小さなオーダーを効率よく集め、捌(さば)く仕組みが実現されていました。類似のパターンでA部品から、B部品、さらにはC部品へと展開されていくうちに、その事業コンセプトは「成功方程式」としてまとめられ、次に続く新規事業企画の指針となりました。

・成功=小さなムダ × 多くのユーザー × 独自の提供システム ― 人的営業

 新たに始まったこのプロジェクトでは、本業から大きく離れて飲食業界がターゲットとなりました。

 飲食店は全国に約180万軒、売上総額は約24兆円。その規模は自動車業界に匹敵します。しかし、業界最大手すら売上は5000億円に過ぎず、その市場占有率はわずか2%。これほど分散的(バラバラ)で、人手中心の巨大市場は、他にはありません。多くの細かいムダが、ありそうです。

 早速、クライアント数名にコンサルタント5名を加えたプロジェクト・チームが立ち上げられました。期限は4ヵ月。その間に新しい事業機会を見つけ、攻略法を立案せねばなりません。

 プロジェクトのチームは2つに分けられ、飲食店現場への潜入捜査(?)を命ぜられました。

「虫の目と鳥の目で、真のニーズを見つけ出す。まずは虫の目だ。飲食店で働いて、一週間で現場の人たちの不平不満を把握せよ!」

 虫の目は、対象に限りなく接近し一体化する視点、鳥の目は、上空からまさに全体を俯瞰(ふかん)し大きな流れを見定める視点です。

 プロジェクトリーダーの指令に、否応(いやおう)なくわれわれは現場へと飛び出しました。ツテを頼って中小飲食店に潜り込み、オーナーやシェフ、ウェイターに張り付いて寝食を友にしました。

 たまたま実家が米の取次販売をやっていた関係で、私の部隊はお米屋さん経由でいろいろな飲食店やその関係先を紹介してもらえました。しかも、従業員でなくオーナーや社長さんを。

 私はオーナーさんたちに終日同行し、経営のこと、お客さんのこと、経理のこと、仕入れのこと、採用のこと、日常の悩みなどをひたすら聞き続けました

 そのとき同じチームにいたのが若手のフクダクン。彼には経理系を任せました。数字を拾って、ちゃんと収益の全体像と細かいお金の動きを把握すること。ニーズも機会もすべてはお金(エコノミクス)の裏付けあっての話ですから。彼は、何にどれくらいのお金が使われているかを、細かく洗い出していきました。



インタビューから見えた、皆の「思い込み」


 飲食店の最大費用項目はもちろん食材費(原価、と呼ばれる)です。通常、3割強のお金はここに費やされます。さらに3割弱が人件費、1割が家賃、2割が設備や副資材・雑貨・用材費・水光熱費となります。チームは、これらひとつひとつに対して「小さなムダがないか」を問いかけていきました。

 ある日、「副資材」が話題になりました。厨房品(洗剤、たわしなど)、消耗品(紙コースターや割り箸、弁当容器など)、食器などなどです。

 オーナーたちは口を揃えて言います。「消耗品のような副資材は、食品問屋についでに納めさせている。おまけなんだからそこでは儲けるなよっていって、すごくたたいているから安く買ってるよ」

 ホントかな、と、今度はレストランに卸している食品問屋側に聞いてみます。「うちは食品が本業。そこで儲ければいいんで、副資材なんてどうでもいい。安くしてるよ」

 でもよくよく聞けば、飲食店側も開店時に決めた商品を、同じ価格のまま、ずっと仕入れているだけ。何かと比べて「安い」といっている訳ではありません。合い見積もりも、とってはいません。

 しかもここは田舎の地方都市。仕入れている副資材は、都会での価格に比べて本当に安いのでしょうか。皆が言っているのは「儲けてない」ということだけです。それがイコール「安い」とは限らない! 他社ではどうか、別地域ではどうか、大きく横と「比べて」みることにしました。



ちゃんと比べる:地方問屋 対 東京上野・合羽橋


 副資材の代表格として、割り箸を選びました。

 ひとつは割り箸が消耗品のなかでも大口だったから。もう一つは、これが意外と比べづらいものだったから。

 割り箸にも、安物(1膳50銭)から高級品(1膳20円)までありますが、形も材質もさまざま(たとえばこちら参照)で、統一の商品規格があるわけでもありません。どれとどれが同等の商品なのか、見てもよくわからないものなのです。

 現場に張り付いていたフクダクンに、電話で指令を出しました。

「お店で使われている割り箸をもらって、上野の合羽橋(かっぱばし)に行って。それで、全く同じモノをまとめ買いしたら、いくらになるか聞いてきてよ」

 合羽橋は飲食店関連商品の聖地。あらゆる卸問屋が軒を並べています。

 でも他のことで忙しかったフクダクン、何とこの指令をスルーしました。翌週のミーティングで私は再度、指示します。それでも、彼は「割り箸ごとき」と無視。

 数日後、私はついに「命令」します。

「いますぐ、やれ」「やらなきゃクビだ」「期限は明日」

 翌日、彼が電話をかけてきました。声が上ずっています。

「ミタニサン! 値段が4割も違いますよ!」

 それなら、宅配便で送るコストを加えても、合羽橋で買ったほうが3割以上安いことになります。

 他の副資材も、中間の卸を通さずに直接、田舎の飲食店まで流通させれば、それだけで何割も安くできるに違いありません。

 ひとつの大きな事業機会が見えました。細かい副資材を集約して直接、中小の飲食店にまで届ければ、きっとより安価に、より高品質のものが提供できるに違いありません。プロジェクトは、大きく一歩、進みました。



比べてわかった大きなムダとチャンス!


 オーナーさんたちや、地方の食品問屋はウソをついていたのでしょうか。そうではありません。

 これこそ、流通のムダ。そしてついでのムダ、だったのです。

 割り箸は当時、東京や名古屋に大手一次卸があり、地方都市には副資材を専門とする二次卸があるだけでした。食品問屋は、ついで商品として少量購入するだけですから、一次卸には相手にされず、二次卸から仕入れて客の飲食店に卸していました。つまり三次卸です。

 これでは、儲かりません。副資材は細かく手間のかかるデリケートな商品であったために、食品問屋にとって邪魔な商品でさえありました。でも顧客の要望やニーズに応えるために扱い続けたのです。

 一方、中小の飲食店は副資材をその二次卸から仕入れることはできません。あまりに少量だからです。割り箸や紙コースターは湿気に弱く、そんなものを段ボール10箱分いっぺんに買っても、ムダになるだけ。だから少しずつ、食品問屋から仕入れていました。

 たとえ合羽橋が安いと知っていたとしても、オーナーたちは、朝から晩まで仕込みや接客に追われて時間がありません。わざわざ一日かけて、合羽橋まで行く暇など、ないのです。だからみんな「ついで」で取引を済ませていました。

 誰もウソは言っていませんでした。ただ、誰もちゃんと比べようとしていなかっただけなので。でもそこに、小さなムダと大きなチャンスが眠っていました。

 フクダクンはその後、嬉々としてその地方都市と合羽橋を往復し、さまざまな副資材・厨房機器・用具を、比べまくりました。貴重なデータが貯まっただけでなく、結果、取材先のオーナーご夫妻に月数万円分のコストダウン(おこづかい)をもたらしました。個人的に、とっても感謝されたそうな。



発見のための4つの比べる技


 こういった「比べる」技には、4つの視点があります。

●何を探す? (1)全体を比べ「矛盾」を見つけて掘る、(2)広く遠く比べて「不変」「変化」を見つける●何と比べる? (3)「例外」と比べて差を探る、(4)「周縁・辺境・その他」を探って比べる

「ふつうの問題」でなく「面白い問題」を発見するために、「一般的な答え(解決策)」でなく「ユニークな答え」を発見するために、これら「発見のための比べる技」を、ぜひ身につけてください。

 そして最初の問いかけにもう一度戻って確かめましょう。「自分はヒトと違うことが楽しめているか?」と。