公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

一人、落選

2010-03-12 | 現在の教室運営
10人、公立高校を受験して・・・・私立には全員合格していますが・・・・
一人、落ちました。

推薦では不合格だった生徒も再挑戦をして合格。
ちょっと無理では、と思っていた生徒も合格。
当落ライン上の生徒も一人は合格。
受かって当然のところを受けた生徒達は当然、みな、合格。
ひとりだけ、当落ライン上の生徒が落ちました。

この≪一人≫の落選が、とてもつらいのです。

ため息をついているところへ
小三の生徒から、≪当分休会≫の申し出。ご家庭の事情で。
そこへまたまた、
小四の生徒から≪別の塾へ行きたい≫との申し出。
こちらは、お兄ちゃんがここへ通い続けたけれど、トップ高へ入れなかったら、
ボクももっといい塾へ行きたい・・・・と。
まあ、この子の場合は宿題がイヤなのですけれど、そうは言わずに
お兄ちゃんを引き合いに出されれば、何もいえません。

今年「落選」だった生徒にも弟がいて、中一になるのですが
あの母親のことですから、おそらくその子にも
「ここはやめさせます」と言い出すことでしょう。
母親の剣幕が目に浮かぶようです。たぶん今日あたり来室されるでしょうけれど。

塾は、子どもの学力を上げてなんぼ、のものです。
希望高校へ入学できてこそ、あそこへ行っててよかった、なのですから
ひとりでも落ちては、同時に評判なるものも落ちることになります。
ですから、塾生には絶対安全な高校受験を薦める塾がほとんどです。
そもそも、当落ライン上の高校受験など励ましたりしてはいけないのです。
でも・・・・・
合格した高校へ通いながら
「あそこを受けていれば、受かっていたかもしれない・・・・そうしていたら・・・」と思うというのは、私はいや。
だから、確実とはいえなくても行きたいところを受けるように薦めます。
その結果、一人が落ちれば
うちの教室の成果も、足を引っ張られることになるのです。
他の9人の合格も、
「うちの子、ダメだった」のクチコミにどこまで耐えられることやら。

ただ一人の落選。

教室の生徒募集・継続率への悪影響は覚悟の上ですからいいのですけれど
あの子をあの高校へ行かせてやりたかったとの想いは、ずっと消えることはないでしょう、
でもそこで、一人の顔が浮かんできます。
希望高校へは落ちたけれど、入った私立高校で頑張って、
高校選択時に思っていた大学へ現役合格をして、その日に報告に来てくれた生徒。
「俺、合格したよ」と。

やっぱり、≪塾≫はやっててよかったのでしょうね。



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