公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

発達遅滞、塾でできること

2017-06-13 | 現在の教室運営
発達遅滞というのは診断がつきにくいそうですね、でも、病名が付いたところで「じゃあどうしたら?」という問題解決にはなりません。

お付き合いすることになった小1の男の子は
こちらのさせたいことをさせる、というのが難しい子です。

学校の宿題で
「ひらがなの訂正学習」というのを持ってきました。
現在学校で何を学習しているのかを知るのにはよかったのですが
「ここでお直ししましょう」というのに頑として応じません。
「うちでやる」の一点張りで、泣いてわめく、テキストを破くなどの
タダっ子ぶりで
「これでは学校で教師の手におえないというのも、ごもっとも」
他にも児童はいるわけですから
この子ひとりに時間はかけられず、
「じゃあ、おうちでやってきなさい」となるのは仕方のないところでしょう
昔みたいに、ひっぱたいてやらせるわけにもいきませんしね (^.^)

当人にすれば「いやだ」と言えばやらなくていいと
しっかり学習してしまっているのです。
お母さんに
「ここで、我が通るということを学習させてしまうわけにはいきませんから
何が何でも最後までさせます」と念を入れて
こちらは極力静かな声と態度で
「ううん、今、ここでやりなさい」と繰り返し
時には母親には室外へ出てもらって
「ママがそばにいてくれればやる」というような当人からの譲歩を引き出し
ようやく最後まで直しをさせました。

終わった後は
「えらかったね、おしまいまでやれたね」とほめ、
「この字はとても上手に書けているね」といくつかの字をほめて
ご褒美アメをおまけに付けて終了。

「また来週ね」というのにニコニコしながらうなづきました。
やれやれ。

難しいのはこの子の態度がいわゆる「わがまま」であって
入学以前の親の躾ができていなかったためと見えるということです。

初めは嫌だと言っていた漢字盤も、要領をつかむと自分からやります。
いくつかの漢字もちゃんと覚えています。
足し算の導入でも
「足す1」の初回で、自分で、39+1=40 を解きましたし
数の並びを書くことでも前回間違えたところをちゃんと覚えていて
二回目には正しく書きました。
知能的には問題はなさそうなのです、
ひらがなを覚えようとしない、書かない、ということ以外には。

よく2才~4才の頃に「いやいや期」と言われる時期がありますよね
もう7歳になるわけですが
行動的にはこの「いやいや期」と同じようで
そのあたりが「発達遅滞」ということなのでしょう。
ですから、学習の内容は6歳児程度として、扱いは2才~4才児対応。

学校の通常クラスで
7歳児の中に3歳児が混ざっていては教員一人の手には負えないでしょう。
しかし、知能的には問題はないので
知能障害対応の特殊学級では伸ばせる学力も伸びなくなってしまいかねません。

ひらがなの読み書きができるという事には「お得」があるということを
理解させることさえできれば
この子は一週間で50音は覚えると思うのですよ
知恵比べです。

3か月程度で「教育成果」が出せるといいのですけれどね。

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