
人々の心を動かした一匹のネコ
1988年1月、アメリカ・アイオア州にあるスペンサー市の図書館で、小さな捨てネコが見つかりました。館長のブイッキー女史が子ネコを見ると、氷点下を超す過酷な状況の中、本の返却ボックスで鳴き声を出す元気もなく、目も開けられずに震えています。温まろうと必死に顔をすり寄せる子ネコの姿を見て、プイッキーさんは図書館では珍しいことではありませんでした。ただ、そのころスペンサー市は不況のあおりを受け、労働者の多くが失業し、商店街のお客も減る一方で、町全体が失望感に溢れていました。図書館に訪れるのは、就職情報誌を見に来る人や、託児所代わりに預けられた子どもたちばかりで、その顔に笑顔はありません。ブイッキーさんは、ネコが彼らの癒しになればと思ったのです。
ところが、市はネコを飼うことに反対しました。衛生上のもんだいはもとより、市の財政に一切の余裕もなく、ネコのエサ代さえも惜しみたい状況だったのです。図書館の建物も老巧化しており、図書館自体を廃止しようとさえ考えていたほどだつたのです。しかし、ブイッキーさんは図書館の正式なスタッフとして、ネコを飼はじめました。デューイと名付けられたネコの主な仕事は、来館者を入り口で迎え入れたり、コミュニケーションをとったりと、図書館に来た人たちを癒し、明るい気分にさせること。動画嫌いやアレルギー体質の人などからの苦情はあったものの、デューイと触れ合うことで子どもたちは笑顔になり、大人たちも元気になったと評判は上々。市も図書館が人々に元気を与えていることを知り資金は出せなかったものの図書館の改善費用を集める寄付に協力してくれるようになりました。
図書館のネコになって一年経ったころ全米中のメディアで紹介され、その人気は全国区になって行きます。デューイの人気は予想外の嬉しい状況を招いていきます。市は財政再建のために企業誘致活動を進めていたのですが、デューイがマスコミに取り上げられ、市の知名度が全国的に アップしたおかげで、大きな工場の誘致することに成功したのです。失業者たちも職を得る機会を得て、市の雰囲気はどんどんよくなっていきました。この誘致活動が大きな問題を生み出しました。スーパーではマーケットの最大大手ウォルマートがスペンサー市にできることになったのです。
2006年11月にデューイは19歳でこの世を去りました。
人間で言えば約90歳大往生でした。
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