森友文書改ざん:籠池被告、昭恵氏「いい土地」発言認める
籠池泰典被告との接見を終えて、取材に応じる共産党の宮本岳志衆院議員(中央右)と希望の党の今井雅人衆院議員(同左)=大阪市都島区の大阪拘置所で2018年3月23日午後5時10分、小関勉撮影
野党3党の衆院議員、大阪拘置所で接見
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題で、野党3党の衆院議員は23日、大阪拘置所(大阪市都島区)で勾留中の前理事長、籠池泰典被告(65)=詐欺罪などで起訴=と接見した。籠池被告は、改ざん前の文書にあった安倍晋三首相の妻昭恵氏の「いい土地ですから、前に進めてください」との発言について「間違いない」と強調。国との交渉について昭恵氏らに逐一報告していたという。
勾留期間が約8カ月に及んでいる籠池被告と接見したのは、立憲民主党の川内博史氏、希望の党の今井雅人氏、共産党の宮本岳志氏。拘置所内で約45分間、昭恵氏との関わりを中心に聞き取り、その後、報道陣の取材に応じた。
財務省が公表した改ざん前の決裁文書によると、籠池被告は2014年4月、同省近畿財務局から国有地を借りる際の交渉で、昭恵氏と撮影した写真を提示。「(昭恵氏から)『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」という籠池被告の発言が記載されていた。安倍首相は昭恵氏の発言内容を否定している。
接見した議員らによると、籠池被告は当時、昭恵氏を大阪府豊中市の小学校予定地に案内。昭恵氏から「いい田んぼができそうですね」と言われ、「学校の建設予定地です」と答えると、「いい土地ですね。ぜひ前に進めてください」と言われたという。
また、国と学園が16年3月、地中のごみについて協議した際の音声データについても言及。「(6月の)棟上げの時に首相夫人が来られる」との籠池被告の発言について、安倍首相は「招待状もないし、行く予定もなかった」と否定している。籠池被告は接見で「昭恵氏から『ぜひ出たい』と言われた。その後は連絡がつかず、正式には呼んでいない」と説明した。
一方、ごみを試掘した業者が、籠池被告らの働きかけで虚偽の報告をしたと大阪地検に証言していることについても議員が尋ねたが、籠池被告は反応を示さなかったという。
籠池被告は弁護人以外との接見を禁じられているが、野党議員が接見禁止の一部解除を申請し、大阪地裁が22日に認める決定を出していた。26日には民進、自由、社民の参院議員も接見する。【宮嶋梓帆、高嶋将之、茶谷亮】