これはなかなか面白い! ベルボンの「iPhone専用自撮り棒付きケース」先行レビュー
モデルさんが左手に持っているのがiPhone X用の「QYCS-V102」
2月末から3月頭にかけて、パシフィコ横浜(横浜市西区)で「CP+(シーピープラス)2019」が開催された。スマートフォンユーザーにはあまり馴染みがないかもしれないけれど、CP+は毎年恒例の日本最大のカメラ・写真関連イベントなのである。
展示品はデジタルカメラがメイン。でも、会場を丹念に回ってみると、スマホカメラ用のユニークな製品をたまに見かけるので目が離せないのだ。
今回のCP+で一番印象深かった(目が点になった、ともいう)のはベルボン(Velbon)ブース。「iPhone専用自撮り棒付きケース」が異彩を放ってたのだ。
その名の通りiPhone専用の、iPhoneケースのようにパコっとはめ込み、しゅるしゅると伸ばして使う製品である。
聞けば4月5日発売予定とのことだが、見た瞬間使ってみたくなった。そこで、発売日に先んじてレビューしてみるのである。
●「自撮り棒付きiPhoneケース」? 「iPhoneケース型自撮り棒」?
このケースにはiPhone 7/8用の「QYCS-V101」とiPhone X用の「QYCS-V102」の2種類がある。今回はiPhone X用を使ってみるのである。
これが実物。
iPhone XSはカメラ部の寸法が少し変わったので未対応とのこと。一応、無理にはめれば使えるようだけれども(実際試してみた)、未対応のものを使うのもどうかな、ということで以前使っていたiPhone Xを引っ張り出して使ってみるのである。
Webサイトでの特集ページでは「iPhone専用自撮り棒付きケース」ってことになっているので、あくまでも「iPhoneケース」という立ち位置で行くみたいけれど、「iPhoneケース型折りたたみ式自撮り棒」って解釈もできなくはない気はする。
見た目は「分厚いiPhoneケース」という感じ。ケース内に折りたたみ式の自撮り棒が収納されていて、アウトカメラの部分にはしっかりと穴が空いている。
●いざセットアップ!
もう、これがどう変形するのか、気になるよねえ。
ではiPhone Xに装着するのである。付け方は普通のiPhoneケースと変わらない。ケースを裏返してはめ込めばOKだ。
iPhoneはケースの四隅で支えるような設計。四隅の高さは画面よりちょっと低めで、画面を守ろうという意思は感じられない。このケースを常に装着するなら、画面の保護策を別途検討した方が良いかもしれない。
一見するとシンプルなiPhoneケースだけれど、着けてみるとやっぱりやたら分厚い。下の写真を見ても一目瞭然だよね。
そうそう、このケースは使う前に充電しておくこと。
「iPhoneケースに充電」って考えると面白いけれど、この自撮り棒のグリップの所がBluetoothを使ったリモートシャッターになっていて、それに電力を供給するためのッテリーに充電するのである。
自撮り棒の部分を少し持ち上げてやるとMicro USB端子が現れる。ここにケーブルを挿して充電すればOK。Micro USB端子の右側にステータスLEDランプが付いていて、充電中はここが赤く光る。
自撮り棒にある白いボタンはシャッター。充電後にここを長押しすると、LEDランプが青く点滅してペアリング(ひも付け)待機モードになる。この状態でiPhoneのBluetooth設定を開いてペアリングをすれば、このボタンをシャッターとして使えるようになる。
●さあ、使い始めよう!
手にしてみると、目玉(カメラ)が2つのぞいてるって感じや、折りたたんだ自撮り棒部分がストライプ状の模様に見えるのが面白い。
自撮り棒を使い始めるには、ケース中央部のへこみに指をかけてパカッと開くべし。90度開いたら、一番外側を持って下にスライドさせるとウニウニと伸びていく。
縦位置で撮影をする場合は、棒を伸ばしきれば準備OK。横位置で撮影する場合は、その後にiPhoneを90度傾ければ準備完了だ。
先ほど述べた通り、自撮り棒にある白いボタンはシャッター。そこに人差し指をかけるように持とう。
●いざ撮影!
では撮るべし。
棒は細めだけれど、結構安定して撮影できる。
撮った自撮りがこちら。まあ、普通の自撮りですが、まあ自撮り棒なので。
撮ってたら、モデルさんが「アウトカメラで撮りたい!」と言い出した。そっちの方が画質がいいから、だそうである(確かにその通りではある)。
ということでケースごとiPhoneをひっくり返して自撮りをしてみることに。
その結果がこちら。
なんか見た目は変な感じだけれどが、ケースをくるっと回せばアウトカメラでも撮れるのだ。構図の確認ができないのが難点だけど……(裏に鏡でも貼れば解決できるかも)。
●モデルさん「面白いけれど、ちょっと重くて手が痛い」
さて、モデルさんに使った感想を聞いてみた。
わたし 「使ってみた感想は?」
モデルさん 「面白いけれど、ちょっと重くて手が痛い」
確かに、自撮り棒部分は金属製でちと重い。ケースだけで100gほどある。
ここにiPhoneの重さも加わると合計270gぐらい。ズシっと重くなる。
「手が痛い」ってのは、自撮り棒の形状のせい。折り畳み式である関係もあり、グリップ部が四角くて薄いので、手に角が当たるのである。
正直、長時間持ってるのはつらいかも。
●自撮りをあまりしない人も楽しめます
もちろん、このケースは自撮り以外でも役に立つ。
わたしが手に持ち、対面の彼女を上から撮ってみた。
上から撮ったり下から撮ったり、届かない所に近づいて撮ったりと、撮影アングルを広げるのにちょうど良いのだ。
真上から撮りたいときも便利。こんな感じで使う。
入れない場所にある桜も、手を伸ばして上から撮れる。今回は芝生の養生のために立ち入れなかった場所でこいつを使って撮影してみた次第。
ハイアングルで動画を撮りながら歩いても楽しい。
つまるところ、自撮りのみならず、撮影の幅が広がるアイテムなのである。
「じゃあ普通の自撮り棒でいいじゃん!」という話が出てくるんだが、あれ、iPhoneを取り付けるのが面倒じゃない?
その点、このケースを着けておけば、撮りたいときにサッと伸ばすだけでよくて、撮り終わったらまたススっと縮めてたたむだけなので、準備と撤収が瞬時にできてめちゃ楽なのである。
さらに、まあこれはおまけみたいなものだけれど、スタンドとしても使える。角度をうまく調整すれば、簡易三脚的にも使えるのだ。
ちょっと重くて分厚くなるけれど、面白いのでいろんな撮影を楽しみたい人はそれで使っても良いし、製品自体は薄いので、バッグのすき間に入れておいて必要な時に装着しても良い(こっちが普通の自撮り棒の使い方だ)。
どう使うにせよ、たぶん写真を見て想像するよりは役に立つと思う。あれこれ遊んでみてそう感じた。
自撮りはあまりしないって人でも人とは違ったアングルで写真や動画を撮りたい人なら手にしてみる価値あり。