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「NHKをぶっ壊す♪」立花党首が歌う“N国ソング” 動画、底抜けのヒドさ

2019-08-17 04:25:09 | ブログ
「NHKをぶっ壊す♪」立花党首が歌う“N国ソング” 動画、底抜けのヒドさ
日刊SPA!
7月21日の参議院選挙で1議席を獲得した「NHKから国民を守る党」。NHKのスクランブル化(受信料を払った人だけが視聴できる)というワンイシューを掲げ、まさかの躍進を遂げた。 そして、いまワイドショーをはじめ、メディアの注目を集めているのが、元NHK局員で、党首の立花孝志参院議員(51)だ。立花氏は、『週刊文春』誌上でNHKの不正経理を告発したのち、同局を依願退職。以降、船橋市議会議員と葛飾区議会議員を務めたのち、先の参院選挙で国政初当選を果たした。 サイズの合っていないスーツに身を包み、満面の笑みで「NHKをぶっ壊す!」と叫ぶ姿はインパクト絶大。当選後も、政党要件を満たすために丸山穂高議員(35)や渡辺喜美議員(67)などに声をかける節操のなさが、議論を呼んでいる。
https://youtu.be/-lHv2BTakz8
◆「立花マヤ」名義のデビュー曲に呆れる

 立花氏が注目を集めるもうひとつの理由が、ユニークなネット戦略だろう。YouTube上の自身のチャンネルから、「NHK集金人を確実に追い返す方法」などの動画をアップし続けている。ホワイトボードに板書しながら熱弁をふるう姿は、さながら予備校の人気講師といったところ。確かに、弁は立つし、何よりも表情豊かで面白い。
 まともに取り合うほどの主張ではないと理解しつつも、妙に興味を惹かれるのも事実。称賛すべき点もない代わりに、強硬に否定する理由もない。かといって無関心ではいられない存在。 そんなつかみどころのなさを象徴しているのが、立花氏がシンガーソングライターのMAYAと「立花マヤ」名義で発表したデビュー曲「NHKをぶっ壊す!」だ(記事冒頭)。というのも、歌、演奏、曲、詞、ビデオ、全てにおいてクオリティが低いばかりでなく、思想信条や理想もなければ、趣味や嗜好すら介在していないからだ。 NHKをぶっ壊す!(4回)
世間を悩ませてる受信料問題 (NHK)
一体どれたけの人が声を出せずにいるんだろう
知識の無い私を脅さないで (NHK)
待ち伏せなんかしないで(以下略)
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◆山本一太の歌でさえ…

 通常、自身の思想信条を訴える場合には、熱いメッセージや権力への痛烈な批判を込めるものだ。
 たとえば、政界きってのソングライターで、現在群馬県知事を務める山本一太氏(61)ならば、還暦過ぎてこの青臭さは困るというほどに、まっすぐに思いを伝える。楽曲にも自身の趣味が反映されているから、良くも悪くもそこにはウソがない。共感するかどうかはともかく、一応は山本氏の理念として受け取れる音楽になっているのだ。 だが、「NHKをぶっ壊す!」には、言葉を支える根底そのものがない。<NHKは勝手に電波を送りつけて集金に来るの?>という詞も、メッセージというより、ある立場からの言い分に過ぎない。不満を抱える一部の層にアピールし得る当てこすりではあっても、大半は政治活動の領分ではないと感じるのではないだろうか。
こうした不徹底は、だらしのない音の羅列にもあらわれている。7分弱に及ぶ曲は、AメロもBメロもコーラスもブリッジなどの構成もなく、グダグダな歌いだしがひたすらに続く。物を作る意思を放棄したような、そしてそのことに何一つ後ろめたさを感じていないような、不作為の不遜とでも言えばいいだろうか。

◆MAYAが紅白に出たら、立花氏は受信料を払うとか

 しかし、ここからが難儀なところだ。この「NHKをぶっ壊す!」がつまらないかというと、決してそうとも言い切れないからだ。真面目でも不真面目でもなければ、ユーモラスな知性も風刺精神も存在しない。だが、100%愚かだと断定することもできない。さらに、受信料に対する不平不満も、市民感覚に親しい。なので、カルト宗教的な不気味さも、現段階では感じられない。

 すると、最後に残るのは、軽薄ながら濃密な滑稽さなのだ。必死さの反動や、クールが行き過ぎた結果としてではなく、「NHKをぶっ壊す!」は、ただただ滑稽なのだ。もしも、この動画に笑える部分があるとすれば、その一点においてのみだろう。

 創作行為をなめ切った無教養が、垂れ流しの楽曲に凝縮されている。しかしながら、そんなことをあえてたしなめる物好きな人などいない。つまり、この曲は、ある種の無法地帯から生み出された奇形と言って差し支えない。そうしたもろもろの環境を含めて、滑稽と呼ぶほかないのである。

 ところで、MAYAが紅白歌合戦に出場したら、立花氏は受信料を払うらしい。その可能性は、NHKのスクランブル化が実現されるよりもはるかに低いことだけ、念のため指摘しておきたい。