小学校新設について福津市宮司2/3区住民説明会が,2023年10月21日(土曜日)19:00から約1時間半、宮司コミュニティセンターにおいて行われました。参加者は、福津市教育委員会教育部の部長及び職員2名と地域住民が約40名、市議会議員5名でした。福津市教育委員会が、学校新設の今後のスケジュールについて約30分説明した後、地域住民からの質問に対し教育委員会が約1時間答える方式で開催されました。
住民の質問には、小学校の早期完成を求めるものもありましたが、殆どが福岡県が手光今川洪水浸水想定区域と指定した場所に小学校を新設した場合の子供たちの安全確保の問題と学校敷地の嵩上げから生じる周辺の民家への洪水・浸水の不安に関するものでした。
具体的には次のようなものです。
住民A:子供たちの安全は、学校敷地の嵩上げによって確保できるかもしれないが、大雨による通学路や周辺地の危険な状態への対応はできるのか?
教育部:気象情報をよく把握し、子供たちの安全確保のための処置を講じる。そのような危険な状況が生じるのは百年に一度か、千年に一度である。
住民B:今まで調整池の役割を果たしていた水田を学校用地に転用し、40,000㎥の土砂で嵩上げした場合、大雨時には手光今川や三辻川が氾濫し、付近の民家が水害に遭う可能性があるのでは?
住民C:家の裏がすぐ川になっている。嵩上げによって水量が増え土手が抉られ家屋が流失することを心配しているが?
教育部:水は、高いところから低いところへ流れ、海に流れ込むので、心配ない。そのような豪雨は百年に一度か千年に一度であり、あまり心配する必要はない。
住民D:手光や宮司には学校用地として相応しい場所があるのに、何故、福岡県が指定する手光今川洪水浸水想定区域の災害の危険性が大きいこの場所に小学校を新設するのか?
教育部:的確な説明なし。
住民E:福岡県の消防防災課は、市町村の担当課長会議で、「指定避難所・指定緊急避難場所は、浸水想定区域などの災害発生のおそれがある区域内の施設を極力避けて指定するように」と助言しているが、福津市はそのことを無視しているのではないか?
教育部:的確な説明なし。
地域住民は、質問に対して的確な説明ができない福津市教育委員会に、もう一度、市長及び専門家も同席する説明会を要求しました。
【コメント】
1.説明会が始まる前は、殆どの地域住民が宮司2~3区への小学校新設を歓迎していると思い込んでいましたが、多くの地域住民が宮司2~3区の学校新設に疑問をもっていることに驚きました。また、地域住民の発言内容に共感しました。
2.地域住民への説明会を小学校新設予定地が決定した後に実施しても、住民の要望や地域で生じる問題を解決することはできません。今回の説明会は、福津市教育委員会が説明会を実施したという単なる実績づくりのため行ったものです。
3.福津市側の出席者に土木・建築の専門家及び防災安全課の責任者がいません。住民の安全や防災についての質問に正確な返答ができないのは、あたりまえです。
4.学校新設予定地の周辺住民より今年の雨でも、手光今川や道辻川が氾濫寸前まで水位が急増したとの経験を聞きました。「百年に一度か千年に一度である」との福津市教育委員会の答弁は異常気象が頻発している現在、全く根拠のない無責任なものです。
5.住民が小学校建設による環境変化や災害の危険性を感じている以上、環境アセスメントを実施すべきと考えます。