僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

セクハラ

2019年11月30日 | 日記
月忌回向で、檀家さんにこんなお話をお聞きしました。

「一・十・百・千・万」
って、知ってる?

『いいえ、聞いたことがありません』

数字遊びか何かかですか?
算数は苦手なんですけど。

「一は、一日一回、神仏に手を合わせる。
十は、一日に十人の人に会う。 

 百は、一日に百字の文字を書く。
 千は、一日に千字の文字を読む。

 万は、一日一万歩、歩く。

 これは健康の秘訣なんだって」

檀家さんの言葉に、う~んとうなってしまいました。

手を合わせたり、手紙を書いたり、
本を読んだり。

それはできるけれど、
一万歩も歩くなんて、僕には無理。

お茶をいただきながら考えてしまいました。

最近、運動をしていない。
ストーブの前から離れられない。

完全に、運動不足です。
これじゃダイエットも無理かな・・・。

車に戻り、家内に話しました。

「いいのよ。無理しなくても。
 私なんか、もうおなかパンパン。

ハンドル片手に、おせんべい持って。
パリ、パリ、パリ、音がする。

幸せそうな顔をして、あごの下がたるんでいる。

昔はあんなにスリムだったのに。
変われば、変わるものなんだね。

ps

それ・・・セクハラよ。(母ちゃん)

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同級生

2019年11月29日 | 日記
昨日、同級生の夢を見ました。

本堂を背にして、笑っていました。
学生時代と変わらない笑顔。

「俺とお前は、やっぱり気が合わないよな」
学生時代によく交わした言葉です。

気が合いそうで、会わない。
そんな関係でした。

そんな彼がこの世を去ったのは、4年前の12月30日。
心臓麻痺でした。

悲しみは月日とともに小さくなり。
いつしか、心の片すみに追いやられていきました。

{忘れたんでしょう?」
どこからか、そんな言葉が聞こえてきます。

奥様にお電話をしました。

「どうですか? 大丈夫ですか?]

もっと気の利いた言葉は言えないのか。
自分で自分が腹立たしい。

「昨日、〇〇君の夢を見ました。
 それで気になって・・・」

受話器の向こうから明るい声が聞こえてきます。
元気そうでよかった。

でも、そのうち声が震えてきて。
涙声に変わっていきました。

「月日が悲しみを癒していく」

それは、嘘だ・・・。

受話器を握りしめながら、
私は発すべき言葉を探しました。

「私・・・太ったんですよ」
泣き笑いの声に、僕まで笑ってしまった。

僕が気を使ってもらって、どうするの。

「こうして年を取っていくんですね」

受話器を置く直前の言葉が、耳に残りました。

来月は祥月命日。

「俺とお前は、やっぱり気が合わないよな」

お酒を飲みながら、そんな会話をしてみたい。
僕は、いつでも待ってるぜ。

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ショパン

2019年11月28日 | Music
あるお寺様に、鬼子母尊神祭のお手伝い行きました。

駐車場で車を降りた時、
帰宅したお嬢さんと出会いました。

こちらのお嬢さんは、ピアノの先生です。

「こんにちわ」
にこやかな声が秋風のそよぎます。

「こんにちわ」
そのあとの言葉が続きません。

えっと、何を話せばいい?

「ショパンの上手な、ピアニスト知りませんか?」
なにを口走っているの? 僕は・・・。

「ショパンですか?
 どんな感じのピアニストがご希望ですか?」

「う~ん。できればしっとりした感じの人」
本当は、何も考えていませんでした。

どれを聴いても同じに聞こえてしまいます。

「そうですね・・・

 クリスチャン・ツィメルマン。
 シャルル・リシャール・アムラン。

この二人は、やわらかなタッチでピアノを弾きますよ」

「ついでに、ベートーベンは、誰かいますか?」
図々しいなぁ。

ベートーベンを「弁当」って発音してしまいました。

笑いをこらえながら、

「エミール・ギレリス、なんかいいですよ」

「ありがとうございました」
なんか得をした気分になりました。

さっそく家に帰って視聴しました。
今、PCから流れています。

秋の夜。
コーヒー・ブレイクは、ショパンの調べとともに。

ps

なに、高尚ぶっているの。
ピアニストの違いなんて分からないくせに。

ほら、ほら、あくびが出ているわよ。

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視線

2019年11月27日 | 日記
高齢者対象のケアハウスに月忌回向にお伺いしました。

ここにお伺いしるときは、
以前書いたように、作務衣の上にジャージを着ます。

理由は、高齢者介護施設にお坊さんの姿で行くと、
利用者の方が動揺すると聞いたからです。

でも、冬用の作務衣の上にジャージは、
着ぶくれがすごい。

もうパンパンです。

恥ずかしいから、人の目につかないようにしました。
受付での記入は家内に頼みました。

人に出会わないように、そそくさと4階へ行きました。

月忌回向も終わり、帰りのエレベーターでのこと。

エレベーターには先客がいました。
30代の夫婦と、お父さん。

扉が閉まり、エレベータは降下していきます。
静寂が訪れる。

無言の時間。
この時間が、すごくにがて。

ふと顔を上げると、視線を感じました。
向かいに立っている女性が、こっちを見ているような。

着ぶくれのジャージ。
ビニール製の角ばったカバン。

紐靴。
ついでに、はげ頭。

そりゃ、「変な人」だよね。

家内と一緒でよかった。
これ、ひとりだったら、ちょっと不気味。

恥ずかしくて、下を向いていました。

真向いの「お父さん」は、僕と同じは〇頭。
なんか自分を見ているみたい。

気まずい・・・。

人の視線が心に刺さる。

エレベーターの数十秒。
生きた心地がしませんでした。

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うれしい

2019年11月26日 | 日記
九州へ月忌回向のお手伝いに行きました。

先月、身延山へ旅行に行かれた檀家さん。
お経の後、お話しを聞きました。

駅前のピザ屋さんに行きましたか?

「それがね・・・間違えて隣のうどん屋さんに行ってね」

食べ終わった後に、気づいたそうで。
笑いながら話す顔が、うれしそう。

「ぼだいてい」山門正面の石の階段は?

「帰りの下りました。
 手すりにつかまり、こわごわとね」

足と腰が痛くなったそうで、
高所恐怖症の僕は、絶対に無理だなぁ。

御首題帳(ごしゅだいちょう)を
うれしそうの広げて、思い出話をする檀家さん。

下部温泉でワインもゲットしたそうで。
満足いく旅行となりました。

楽しい旅行になりましたね。
よかった。

今度、お寺の団参(だんさん)
団体参拝旅行に行きませんか。

青木ヶ原の樹海から見える富士山。
富士五湖。

千葉県の本山。
京都の本山。

僕のとって
今でも忘れられない思い出です。

機会があれば、ぜひ。


ps

このブログを書きながら、いつも思います。

こんな内容でいいのだろうか?
他のお坊さんの迷惑になっていないだろうか?、と

更新する前に家内に尋ねると、

「いいのよ、これで」
「OK」って、親指を上に向けます。

君は、どこお国の人?

「誰もあなたのことなんか、
 お坊さんって思ってやしないわよ。

 だって、お坊さんがこんな自堕落な生活を
 送るわけがないじゃない。

 あなたは、特殊なの。悪い見本。
 反面教師なの」

そうなの?
僕って、だめな人なの?

「そうです」
涼しい顔で言ってくれる。

「でも、それがあなたなんだから、それでいいの」

「ブログを読んでくれた人が、『こんな人間になりたくない』
 って思ってくれたら、うれしいじゃない」

うれしくないよ。ぜんぜん。
落ち込んだ。

今日は、これで終わりです。

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