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朝日記210406 アレクセイ・マイノングの紹介 丸い四角は丸いかということを考えた大哲学者
マイノングは、丁度日本の明治開国のころオーストリアに生まれ、生涯、グラーツの大学で哲学と心理学を
研究した学者です。彼は、モノの存在について、「ものがある」ということと「ものがあること」のふたつを考えました。とくに後者は、ひとが経験して考えて判断するという認識の問題であり、彼は「対象」という概念を人間思考のなかに位置付けることになります。これによって、たとえば「シャーロック・ホームズはイングランドに生まれた」という命題に意味をあたえることになりました。言うまでもなくコナンドイルの創作ですが、人物は非存在であるが対象としては存在し、それを人々は認めているというものです。つまり「彼は存在していること」として彼を対象として、これに対して、読者はこの文章全体を全体を考える意味あり(つまり価値がある)ということに同意します。価値を追求することで読者という主体・主観がつながった状態(State of the Affairs)をオブジェクティブとして命題として位置付けることになります。いまはやりのキャラクター化として存在する対象であります。 リアルの世界でその物(者)が存在しない;非存在性のモノ(者)を対象として考えあるいは楽しむということの存在位置を与えることになります。ここまでくれば、すでに文芸はそうではないかという、ごく当たり前の話になり、それで終わりとなりますが、この対象の理論には、現代文明社会が遭遇している困難な問題を整理して考え、解決の道筋を科学的に進めるための貴重なヒントを内包していまだす。たとえば、先回のアメリカの大統領選で、不正選挙であったかどうかが問われ、バイデン氏の政権になったいまも、共和党にトランプ支持者は、その主張を下ろしていません。裁判での法手続きで法的に解決した形にしています。日本ならそれで、まあ丸く納めて、巻土重来としてみたいところですが、事実はどうであるか頬被りした状態は、結局、その社会全体の障害として残る。それを科学的に、解明しておくという努力は、基本的には民主と共和両党の支持者も望んでいるところと考えます。それがないと、毎回ブラックボックスのまま、国の統一体制が崩壊していくことが危惧されることになります。このような問題に、マイノングの非存在性の対象の概念が一縷の光を与えると見ます。
つまり。「不正選挙は無かった」という非存在対象問題を扱うということで、科学的な分析判断の場が共有されることになります。 マイノングは、そのためのひとつ、ものを晒す(disposition)という手段を解決のヒントとして挙げています。これは、軍隊でいえば、(平時での)軍事訓練という意味もあり、対象のよき目的価値であるオブジェクティブからの答えの質を向上する不断の努力をするシステムを用意(inplement)に怠りないという意味になります。工業界のエンジニアリング系ではシステム工学としてすでに馴染みの思考方式ですが、これを社会系への適用性という意味ともなります。
スタンフォード大学の哲学百科は、定期的レビューがあり、内容に定評があります。今回、項目「マイノング」を読み、和訳作業をしましたので以下に数回に分けて、紹介していきます。さらに体力があれかしですが、このあと、項目「非存在対象」を取り上げる計画でもあります。「寅さんは国民の先生」のようなことが論じられます。 ご意見を交流できれば幸甚です。
~(Fruehings graube;春への信仰)
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翻訳
スタフォード哲学百科からAlexius Meinongを和訳しましたので、掲載します。
出典: スタフォード哲学百科 Alexius Meinong
翻訳 Alexius Meinong アレクセイ・マイノング
出典: スタフォード哲学百科 Alexius Meinong
First published Mon Dec 8, 2008; substantive revision Tue Feb 26, 2019
Translator; Yasumasa Arai
2021-4-5
翻訳者 荒井 康全
本文
(概要)
Alexius Meinong Ritter von Handschuchsheim (b. 1853, d. 1920)はオーストリアの哲学者および心理学者であり、グラーツ大学 the University of Grazに1882年から生涯奉職した。彼は、オーストリア・ハンガリーにおいて実験心理学を先導し、最初の心理学研究所を1894年に設立した。しかし、彼は主として、「対象の理論」theory of objects ([Gegenstandstheorie]の学者として知られれている。これは 先見的存在論の立場 から存在的対象 にとどまらず非存在的対象 を導入し、これを系統的に思考したのであった。
彼のアプローチはFranz Brentanoの記述心理学 に、現象論的哲学 を形成し、さらにそれらを結合し、意志性(心的方向性) を意味喚起したものであり、同時に英国経験主義者 の影響のもとにあったことを留意するものでもあった。師Brentanoの哲学的指導を継承し、 これを変容しつつ、Meinongはそれまで全く希少な哲学領域へ重要にしてオリジナルな貢献を成したのであった。その領域とは、存在論ontologyと形而上学metaphysics、価値理論value theory、認識論epistemology、哲学的心理学philosophical psychology、および言語哲学philosophy of languageである。
この筋道において、例えば 彼は価値の理論においてあたらしい基礎を据えることを試みたのである。これは心理学の基底として価値-感覚(感情) へ立ち帰ることによってなされたのである。Meinongは哲学における心理学の基本的な役割を常に意識していたにも関わらず、徐々に心理主義 への反対者へと衣替えしていったのある。
彼の転換は、価値理論の目的論的位置づけ (1912)および心理学的(心的)内容contentsと心的行為対象objectsとの間の区別 の導入(1899)にあり、かれの反-心理主義は決定的となったのである。
MeinongはBertrand Russellの関心をひくことになった。しかしながら、RussellはMeinnongの対象理論object theoryをその後、受け入れなかった。それは非実在non-beingの概念および彼の哲学的心理学がこころのコンテンツmental contentsを経由した対象objectとの関係として意識consciousnessを理解することに対する拒絶であった。
Russellは、Meinongの国際的認知への責任を感じていたのであった。一方RussellはMeinongの悪名を高めたことになった。しかし、他方で、Russellとの論争がMeinongのその後の展開に刺激をあたえ、論理と意味論において、古典的なそれらへの深刻なる代替版として世界にその姿をあらわしたのである。
目次
1. 生涯と業績
1.1 系譜
1.2 Meinongの生涯と業績
2. Mainongの哲学
3. いくつかの認識論的案件
4. こころと対象
4.1 心理学的contentと論理的content
4.2 対象としてのこころー自己表現と他者表現との対照性
4.3 こころの通路
5.対象理論―実在と非実在を超えての存在論
6.こころの表現と対象の意図―Meinongの意味理論
7.価値と情動
7.1 Meinongの初期の理論―価値の主観主義
7.2 Meinongの後期の理論―価値の目的論主義
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- 朝日記210406 (続き 2)翻訳 Alexius Meinong アレクセイ・マイノング
- 朝日記210405 (続き 3)マイノング 2.Meinongと哲学 3.認識論でのいくつかの事態
- 朝日記210406 (その 4)翻訳 マイノング 4 こころと対象
- 朝日記210406(続き 5)翻訳マイノング 4.3 こころの共有場
- 朝日記210406 (続き 6)翻訳 マイノング 5.3 マイノング学派のカテゴリー表
- 朝日記210406 (続き 7)翻訳 マイノング 5.4 非実在対象―Russell 対 Meinong
- 朝日記210406(続き8)翻訳 マイノング 5.5 高次元の対象 ~6こころの表現と対象への意図 7価値と感情
参考文献
第一次資料:Meinongの業績からの選別
第二次資料;参考と推奨文献
学術的道具
他のインターネット資料
関係するネット先
参考文献
第一次資料:Meinongの業績からの選別
第二次資料;参考と推奨文献
学術的道具
他のインターネット資料
関係するネット先
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以下を直接参照ください。
今日の朝日記は、正直さっぱり分かりません。私は文学部英文科を出てますが、
哲学科の、荒井さんの言ってる事がよく理解できず、難しすぎますので、コメントが書けないのです!申し訳ありません。恐らく、野々山さんや、佐藤さんの方が比較的、荒井康全さんの言ってる事が理解できてると思いますので、転送しました。申し訳ありませんでした、
塚谷
どうしたのですか?自分のアドレスに送ってますよ!?難しすぎて、私には理解できませんよ。
気が違ったのかと思いましたよ!!!
塚谷
塚谷さん
とうに、気が違っていますね。
この十余年間 哲学研究を、絵と並行してきました。
論文を十数編、所属学会の総合知学会年報に投稿してきました。
国会図書館に登録され、読者もいるようです。自分の思考のクロニクルです。
こういうことをしておかないと、身の回りの資料は死後、ごみとして
処分されるのこと必定なので、ちょっと掉さして記録として残しておこうかと
いう試みでした。
最終章の段階にきて、目下集中していますが、
一方では、終活として店じまいを急かされているところでもあります。
朝日記は、そのときどきの思考のクロニクルですね。
朝日記は、目下、延べアクセス数が93万件で今年中には
ミリオンに達します。知らないうちにこんな文章や絵を見てくれている
ひとたちがいることに改めて襟をただします。
混沌とした人類社会を、どのように未来につなげていくか。
最終章として遺言のようなことを いま書こうとしています。
その過程で、オーストリーのAlexius Meinongという哲学者に出会っています。
ある意味で、世界がその思考の業績に着目しはじめたことに気づきました。
そんなことで、彼をテキスト(スタンフォード哲学百科)にして、朝日記に邦訳紹介しました。
メモです、したがって、気が違ったとかわいそうと見ておいてください。
絵も掲載していきます。
ごめんなさい。それではまた。
荒井