単に減速していることに気付く
ナスダック100指数は週間ベースで3%下落し、4週連続安となる一方、S&P500種株価指数は今週、2%下げた。米10年債利回りは今週、40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く低下。ウォール街の「恐怖指数」であるVIX指数は2日の取引で一時、22年以来の高水準に向けて上昇し、30に近づいた。
インフラストラクチャー・キャピタル・アドバイザーズの創業者、ジェイ・ハットフィールド氏は「市場では大幅なリセッション(景気後退)が起きるかのように取引されている。われわれの考えでは、通常の季節的な混乱が起こり、その後は経済に関するより多くのデータを得て、景気が急降下しているのではなく、単に減速していることに気付くことになる」との見方を示した。
ここ10年の大半にわたり、投資家らは信頼できるハイテク企業の業績に安らぎを得てきた。しかし今、それは突然不安の種となっている。AI競争に勝つための準備が整っていないことを示唆した米インテルの株価は、少なくとも1982年以来の下落率となった。当面は多額のAI支出のために利益は後回しになるとの見通しを示したアマゾン・ドット・コムも大きく下げた。
FBBキャピタル・パートナーズの調査ディレクター、マイク・ベイリー氏は「少なくとも今のところ、ダムが決壊しつつある」とし、「リセッションに突入すれば、投資家はテクノロジー企業の利益成長を控えめに見積もるかもしれない。成長が鈍化するハイテク株をなぜ高く評価するのか」と述べた。
S&P500種は1.8%、ナスダック100は2.4%それぞれ下落。中小企業で構成されるラッセル2000指数は3.5%下げた。恐怖指数として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は2023年3月の水準に向かって急上昇した。売上高見通しが市場予想を大きく下回ったインテルは約26%急落。アマゾン・ドット・コムは利益が予想に届かず約9%安。