私の読書記録

ミステリー、サスペンス、アクション
ファンタジー、SF、恋愛、ハートフル
社会派、時代物、何でも読みます

ワイルド・フォレスト / サンドラ・ブラウン

2024年09月19日 | 読んだ小説
                    

☆☆
カナダの山深い原生林地帯に小型飛行機が墜落する。
奇跡的に生き残ったのは、社長令嬢と帰還兵の2人だけだった。 2人は生まれ育ちの違いによる価値観
の相違や、帰還兵の男性が、過去に女性に辛い経験があり、上流階級の女性に嫌悪感を持っており、
共に生き残った女性に冷たく辛辣な態度で接してしまう。 そんな2人は、何度も反発や衝突しながらも
無事生還するために過酷なサバイバルを強いられる。

過去にも何度か、山奥や砂漠、無人島などに取り残された男女の、ほとんど本作と似たようなサバイバ
ル・ラブストーリーを観たり読んだりした事があって、始めの内は、かなりベタ過ぎる内容だと思った
し、きっと幾多の苦難を乗り越えながら、次第に2人の距離が縮まり信頼し合い愛が深まっていくスト
ーリーなんだろうなと予測していたが、実際に大方そうなのだが、2人がお互いに惹かれ合う理由が、
精神的なものよりも肉体的なものというのがポイントか。 

一応サバイバル小説の部類には入るのだろうけど、遭難している間は、サバイバル場面にはそこまで
重きを置かずに一時避難生活を送る小屋での2人のやり取りを中心に描かれている。 やがて社長令嬢
の父親の財力に物を言わせた救出活動で遭難後2週間で2人は救出されるが、救出後、特に女性の方は、
マスコミや世間、友人らの執拗な好奇の目に晒される事になる。

2人はお互い愛し合っていたが、それぞれの住む場所へと戻っていく事になるが、女性の父親が、今回の
娘の体験を映画会社やメディアに売って儲けようとし、更には男性の住む地域の広大で自然豊かな土地を
買収して儲けようとまで企み父と娘の確執が大きくなる。 そんな女性の元へ男性は再び訪ねて来るが、
男性は過去の辛い経験から今だに逃れられず、女性の事を信じて、その愛を真っすぐに受け入れる事がで
きないでいた。 果たして2人の愛の行方は・・・。

作者は、2人が救出された後の傷つき揺れ動き彷徨いながらも、尚もお互いを求めて止まない愛の行方を
メインに描きたくて、その辺が同系他作との違いでいいし、もちろんラストはハッピーエンドなのだが、
精神的な結びつきよりも、発情期で盛りの付いた獣のような生臭い2人が、くっ付こうが離れようが、
私的には特に興味はなかった。


最新の画像もっと見る