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何者かが冬季営業中のスキー場のゲレンデに爆弾を仕掛け、スキー場を運営している会社に爆弾を爆発さ
せたくなかったら金を払えと脅迫状が届く。 社長は、ゲレンデのスキー客を非難させないまま犯人側の
要求を飲み、警察には知らせずに身代金を払う事にする。 そして、3回に分けて身代金の受け渡しが、
スキー場のパトロール隊員らによって行われる。
リスクマネージネントが叫ばれている昨今の世の中で、客の安全や会社の社会的責任、信用より目先の利
益を優先する今ドキ珍しいタイプの社長かと思っていたら、社長には元々秘密裏の計画があり、今回の脅
迫事件は、その社長の計画を阻止しようとする者達の妨害工作だった。
真相を知ってからの率直な感想は、社長の計画を妨害しようとする者達は、何でそんなややっこしくて
面倒な方法を取るのか不思議だった。 ゲレンデでの身代金の受け渡しだって決して簡単な事ではなく失
敗する可能性もあるし、第一そんなのネットで社長の計画を暴露し拡散すれば、社長も容易に実行に移す
事ができずに抑止力になったはずだし、匿名で社長を脅迫して計画を踏み留まらせても良かったはずだ。
作中では社長を一番の悪者として描いているが、社長の秘密裏の計画は違法で悪質とはいえ自社のお荷物
物件を、なるべく経費をかけずに高く売りたいというのは経営者としては当然の事で、本当の一番の悪は
爆弾脅迫犯らで、企業を脅迫し金を奪い、スキー場の運営関係者に多大な迷惑をかけ、更に1年前には
スキー場でのルールを破って事故で1人の人間を死亡させ逃亡し、その事に深い反省もなく普通に生活し
ていたような奴らだ。 最後に1年前の被害者家族に平謝りする軽い態度には怒りと嫌悪感を覚えた。