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マスカレード・ナイト / 東野圭吾

2024年09月30日 | 読んだ小説
                    


刑事と今回はホテルのコンシェルジュに昇格した女性スタッフのお馴染みコンビが、再びホテル内で起こ
る事件を解決するマスカレード・シリーズの第三弾。

マンションの一室で若い女性の他殺死体が発見され、警察に何者かから、犯人はホテル・コルテシア東京
の年末カウントダウン・パーティーに現れると密告状が届く。 主人公の刑事は、ホテルのフロントク
ラークに扮して潜入捜査に入り、もう1人の主人公のホテルの女性コンシェルジュは、年末の宿泊客の
対応に追われていた。 果たして密告状を書いた人物とは、そして、事件の犯人は、更には密告者と犯人
との関係は・・・。

前作か前々作でも思ったが、主人公の女性コンシェルジュは、一見非常に優秀な凄腕ホテルウーマンだと
思えるが、お客様に非常に無礼だったり、リスクマネージメント的にもヤバそうな行動を取ったりする
危険人物でもある。 今回も宿泊客の男性が、他の宿泊客の女性との仲を取り持ってほしいと頼んできた
時に、女性の方にはご主人が一緒に宿泊している事になっていたのだから、頼んできた男性に、その事を
ちゃんと告げるのが、男性に対しても相手の女性に対しても、まともな誠意のある対応だと思うが。
この件は、男性客も女性客もフェイクだったから良かったが、普通に考えたらお客様が怒って大問題に
発展しかねない事案だった。

後は、私が再三このブログでも書いてきている、ミステリーに於いての登場人物らの思考や行動に納得で
きるかという点だが、
①本当か嘘か分からないあの密告状で、警察があそこまで大規模な捜査体制を取るだろうか。
②相手は凶悪な殺人犯なのに、一般女性の密告者が犯人を強請るなんて事をするだろうか。
③主人公のコンシェルジュは、仕事柄お客様の対応には時間に正確でなければならないはずで、すぐに狂
 いやすい腕時計なんか身に着けているだろうか。
④主人公の刑事が最後に犯人に接触したのに、その犯人を放って犯人が直前にいた場所に向かうなんて、
 そんな行動を絶対にするはずがない。 あの場では何よりも犯人確保が第一優先であるはずで、犯人が
 その前にいた場所で何をしていたかなんて、何も分からないあの時点では、後で他の捜査員に見に行っ
 てもらえばいいだけだったはず。
など、いろいろツッコミ所や作者のトランスジェンダーに対する認識不足もあったりするが、
今回もホテルの裏側を、いろいろ知る事ができて面白い作品だった。


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